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勝つ店は勝つ! たとえバブルが壊れても

~Huge CEO 新川義弘氏(2)

2007年6月28日(木)

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将来、経営層を目指す人々に自身の経験を語って頂くトークセッション「Road to CEO」。今回は東京・新丸ビルや銀座、吉祥寺などでレストランを展開するHugeの代表取締役・CEO、新川義弘氏をゲストに迎えた。


Huge CEO 新川義弘氏

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司会、山中(以下Y) 著書『愛されるサービス』(かんき出版)の中で、店はシェフが絶対君主として君臨するのは当然だけど、サービスも同じぐらいの価値があるんだ、と言われていますね。非常に刺激的ですが、これに気付かれた経緯を教えていただけないでしょうか。

 はい。もともと(前職のグローバルダイニングを築いた)長谷川さんは「店づくりの匠」です。東京の港区、渋谷区を中心に、いわゆるブティックレストランをつくったパイオニアです。その中で番頭だった僕がオペレーターとして頭角を現して、長谷川さんと両輪だと言われたい、と思うわけです。

 つまり「店を回す人」になりたかったと。回す人の究極って店長です。前回お話しした、グローバルダイニングに解雇されてから出戻ったときに花開かせたのが、日赤通りにあるラ・ボエムだったんですけど、ここはチーフは筋がよかったんですけど、フロアがだめだったんです。

 そこでチーフと手を組んで、「フロアで絶対僕は売り上げを伸ばすから、よろしく」ということで、短い期間で、どかんと売り上げを上げて。

 その後に世田谷三宿に行ったときに、桜沢さんという、おっかない感じの人なんですけど、彼が僕に「お前、日赤通りで売り上げ上げたらしいじゃないか。お前のサービスがいいと聞いているけど、俺は認めないぞ。店は飯がうまくてなんぼなんだ」とおっしゃるから、「1週間見てください。僕がつくるチームで、こいつらじゃ俺の飯を預けられないとおっしゃるんだったら、僕は桜沢さんの下に入ります」と言ったんですよ。

 1週間たつ前の3日ぐらいかな。また怖い顔をして俺のところへガーっと来て、「ばか野郎! お前! すごいな!」と言われたんです。それでうれしくなっちゃって「いや、桜沢さんもすごいです」と言って、もうなんだか馬鹿みたいなんですけど。そのときに、ぴんときたんです。調理場とフロアは水と油と言われるんですけど、認め合ったら強いなと思ったんです。つまり、イケていない店って、フロアが調理場に意見を言えない。そうすると、お客さんのニーズをくみ取れないんです。

Y なるほど。いわゆる「売り場の声」が製造ラインに届かない…。

 三宿のゼストで店長をやっていたころに、週4回ぐらいデニーズに行っていたんですが、ビッグカントリーハンバーグという、目玉焼きの上にデミグラスソースが載ったメニューがあった。店員に「目玉焼きを抜いてください」と言ったときに、「抜けません。お残しください」と言われたんです。「別に料金を引いてくれというわけじゃないからお願いします」と言っても、だめだった。セオリーから外れたことはだめなんですよ。調理場に意見を言えないわけ。「チーフ、目玉焼き抜いてください」「うるせえ」という言葉が返ってくるんでしょうね。

 お客さんのニーズを個別に取り上げていてはナショナルチェーンは成り立ちません。ですから、そのオペレーションを否定しているわけじゃないんです。でも、僕は真逆を行こうと思ったんです。一番お客様の先端にいるアルバイトの方々がお客さんのニーズを汲みやすくしてあげようと。そのためには、調理場に話を通しやすくする。そうしたら顧客満足が上がるんじゃないかという仮説ですね。これは当たりました。

Y 3日で効果が出るんですか。

 もちろん3日目に、全部できるわけはないですよ。調理場の人に「いらっしゃいませと言ってみようね」とか、「顔を上げて目を見て会釈しようね」とか言えるようになったのは、何年も後です。

 ですがその前に、キッチンにフロアの人がお客さんを連れて行って、「チーフ、お客様があいさつなさりたいとおっしゃっています」といった具合に、どんどん近づけていったんです。調理場は作る人、フロアは営業する人、という距離感をどんどん詰めてやろうと思った。

 そうすると、チーフは、このお客のために何かしてあげたいと思う。忙しくなればなるほど、「ばか野郎、こんなオーダー入れやがって」と言っていたのが、「お客さんのために、こんなこともやるぞ」という空気ができてきたんです。

事前期待を常に超え続けるために

司会、秋山(以下A) グローバルダイニングって、ものすごい実力主義で、数字を上げないといきなり降格とか、それが店長だけじゃなくて、個々の人たちもそうですよね。

 そういう成果主義を強めると、当座の数字ばかり見て、チームワークもなくなってきて、自分のことだけ考える。一般的にはそう言われます。そのあたり、どのように工夫されたんですか。

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「勝つ店は勝つ! たとえバブルが壊れても」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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