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「見る」学習と「なぞる」学習

~鬼師・美濃邉恵一~

  • 茂木 健一郎

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2007年7月10日(火)

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 今回お話を伺った鬼瓦を作る職人・鬼師の美濃邉恵一さんの仕事は、何百年も前に作られた鬼瓦を再現し、次の世代へ引き継いでいくことだ。複雑な形状の瓦にそれを作った昔の職人がどんな思いを込めたのか。美濃邉さんは、表面を指でなぞることによって、作者と対話し通じあうという。

 これは「感覚系の学習」と「運動系の学習」の違いだ。他人の心を理解するというのは、案外「運動系の学習」に近いということだ。見るというのは明らかに感覚系の学習であり、指でなぞるというのは、実際にそれを作ったときの現場に立ち戻るという運動系の学習である。

 最近の脳科学の「ミラーニューロン」という、相手の心と自分の心を鏡に映したように生成するニューロンは、運動前野というところにあり、運動系の回路である。美濃邉さんの話を伺って、このことを真っ先に思い浮かべた。

 この「運動系」でみるというのはさまざまな分野で非常に重要なことだと思う。例えば音楽にしてもただ聴いているだけでなく、自分が演奏すると、違った見え方をしてくる。ビジネスの分野でも上達するということは、とらえ方が感覚系から運動系に移っていくことなんだと最近思っている。感覚系だけでみる人は、単なる評論家になってしまう。

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人事を尽くして、鬼になる
NHKの番組サイトへ
NHK総合テレビ
7月10日(火)午後10:00~10:43
・再放送
 総合 毎週火曜 午前1:05~1:49
     (月曜深夜)
 総合 毎週火曜 4:05~4:49
 BS2  毎翌週水曜 午後5:15~5:59
番組公式サイト
本・CD・DVD紹介サイト
 「鬼師」と呼ばれる職人たちがいる。神社仏閣や民家の鬼瓦を専門に作る職人たちだ。
 
 滋賀県大津市、比叡山のふもとに仕事場を構える美濃邉恵一(56歳)は、清水寺・西本願寺・南禅寺など、名だたる文化財の建物の鬼瓦を手がける職人だ。鬼瓦とは、建物を悪霊から守る「守り神」。だが雨風にさらされる鬼瓦は歳月を経るとひび割れ、朽ちてしまう。それを新たなものに作り直すのが「鬼師」の役割だ。
 
 そんな鬼師・美濃邉のものづくりの流儀は「魂を写し取る」こと。作った職人の気質や、瓦に込めた魂にまで思いをはせ、ヘラを動かす。さらに美濃邉がこだわるのは、窯に入れるまでの「乾燥」の時期。凹凸の多い鬼瓦は、部位により乾燥具合に差が出るとすぐに、ひび割れる。そのため、美濃邉は「子を育てる」ように、根気よく瓦に向き合う。ときには自ら「鬼」となり、何百年と長持ちする鬼瓦を目指すという。
 
 5月、美濃邉は京都・西本願寺の大谷本廟からの依頼で、大きな鬼瓦に取り組んだ。何百年という長い歴史と向き合う職人の、厳しい流儀に迫る。


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