• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

楽天的に「失敗」できる人

~農家・古野隆雄

  • 茂木 健一郎

バックナンバー

2007年7月24日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 今回お話を伺った古野隆雄さんは、アイガモを田に放し飼いすることによって、農薬を使わない米作りに取り組んでおられる。アイガモに出合うまでに、幾度も失敗を繰り返し、さらに農法の確立を目指して試行錯誤を続けている。

 逆境にある時や恵まれない時には、その時なりにやるべきことがある。干ばつの時の植物は、いざという時に備えた活動をしている。地上で派手に葉を茂らせたり、枝を伸ばしたり花を咲かせる、といった活動はできなくても、地下の見えないところで根を張っている。その時に何をやるかで、いざ雨が降った時にそれを生かすことができるかどうか変わってくる。古野さんのこの例えは、本当にまったくその通りだと感じた。

 脳がそうだ。失敗により、知的な意味でのハングリー精神が培われるとも言える。成功ばかりしていると、それで満足してしまう。失敗を続けると、現状ではダメだと脳が何かを求める。答えを求める。そこに空白ができる。すると脳がその空白を埋めようとして、一所懸命、自分で見つけようとしたり、外の経験から見つけようとしたり、様々な手を尽くす。それが、植物の例えで言うと、根を張るということに通じている。

 古野さんは、失敗し続けている時にも、落ち込んでいるわけではない、失敗しても「新しいことを試している」こと自体に喜びを感じている。これは古野さんの才能で、たいていの人は失敗するとどんよりする。もし農業をやっておられなかったとしても、きっと成功していた人だと思う。

 アイガモは雑草のヒエを食べないと言われているが、本当は食べるかもしれないと実験してみたところなど、素晴らしいと思う。先入観や世間で言われていることを信じないで、自分で試してみる。あれは非常に大事なことだ。楽天的に失敗できる人がいる。そこできちんと学習し、いろんな可能性をつぶしていくというロジックがある。

 新しいことにチャレンジすればするほど、そう簡単に成功なんかしない。失敗を楽しめないと新しいことにチャレンジできない。100やって99失敗するという世界もある。99の失敗を楽しめるというメンタリティーがあれば、怖いものなしなのだと感じた。

 逆境の時に何をすべきか。うまくいかない時に何をすべきか。1つの見事な答えがそこにあると思う。

次ページ >>

自然に負けろ、そこから進め
NHKの番組サイトへ
NHK総合テレビ
7月24日(火)午後10:00~10:43
・再放送
 総合 毎週火曜 午前1:05~1:49
     (月曜深夜)
 総合 毎週火曜 4:05~4:49
 BS2  毎翌週水曜 午後5:15~5:59
番組公式サイト
本・CD・DVD紹介サイト
 スイス・シュワブ財団が選出する「世界で最も傑出した社会起業家」に、日本人としてただ一人選ばれた男がいる。農薬や化学肥料を使わずに米を作れる技術 “アイガモ農法”を確立した、農家・古野隆雄(56歳)。農薬を使わずに大規模に稲作を行うことは、膨大な手間がかかる。その常識を覆した古野の農法は、世界で急速に広がっている。
 
 “アイガモ農法”では、合鴨(がも)が雑草や害虫を食べつくす。さらにそのふんが、稲の肥料となる。田んぼの中に生態系を作り、その力を利用して米を作るというものだ。古野は長年、この方法一筋に研究を重ね、技術を確立した。
 
 古野の理想とするのは、命の循環を組み合わせて、自然が本来持っている力を引き出す農業。それを目指して挑戦を続ける古野の流儀は、自然を相手に戦わないこと。
 
 今年、古野が挑むのは、乾いた田んぼに直接種をまく「乾田直播(かんでんじかまき)」。これを、農薬を使わずに行う。成功すれば、苗作りや田植えといった重労働をなくし、大幅な省力化が可能となる。常に農業の革命に挑戦し続ける農家・古野の現場に密着し、その流儀に迫る。


コメント0

「茂木健一郎の「超一流の仕事脳」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

短期保有者のいいようにさせたら、中長期で保有したいと考えている株主はどうなるのか。

貝沼 由久 ミネベアミツミ社長