「遙 洋子の「男の勘違い、女のすれ違い」」

女の敵は女

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2007年8月24日(金)

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 最近、久々に腹が立ったことがある。
 近頃ではめずらしい「女だからダメ」という拒絶に直面したからだ。

 男女平等とか、男とか女とか、女性差別とか、そういった単語は出来れば使いたくないと思ってきた。まず、聞く人たちが「ああまたか」とうんざりする単語だろうし、使うほうもそうそういきり立って主張しているわけでもないからだ。

 しかし定期的に、それも忘れた頃に女性差別は確実にやってくる。その時ふと我に帰る自分がいる。今回はこの青臭い時代遅れの単語を久しぶりに使いたい。

 日ごろ一人暮らしの私だが、先日、法要のために実家に帰った。

 私は大家族の中で育った。兄や兄嫁や甥や姪がひしめく中、法要が始まった。私は“嫁いでない”ということで“本家の一人娘”という位置にあった。

 法要の途中、“長男”がおもむろに「それではここからは男だけで…」と言い出した。甥が「そんなこと言うとまた洋子おばちゃんがうるさいよ」と笑った。私は「なぜ法要に私を入れないのか」と気色ばみ、強引に儀式に加わった。

 言われたとおりに従順に儀式に参加しないで台所の奥に控える兄嫁の一人が、「洋子ちゃんはもう男として生きるねんて」と嘲笑した。皆がどっと笑った。

 このエピソードは、現代の家族には違和感があるだろう。もはやここまで儀式めいたものが残っている土地もめずらしいだろうし、宗教によっても変わる。大方の儀式自体は陳腐化したり退廃してもいる。だがこのエピソードには、職場でがんばる女性にとって陥りがちな、「女の敵は女」の構図に共通する原風景がある。

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著者プロフィール

遙 洋子(はるか・ようこ)

遙 洋子

大阪府出身。タレント・エッセイスト。関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、その体験を綴った著書『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』(ちくま文庫)を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。近著に『主婦たちのオーレ!』(筑摩書房)、『女ともだち』(法研)など。公式ウェブサイトはこちら



このコラムについて

遙 洋子の「男の勘違い、女のすれ違い」

時事問題を独自の視点で切り込むタレントでエッセイストの遙洋子氏が、男と女が食い違うワケをユニークな視点で解説していく。

【編集部から】
2010年4月から、遙洋子さんの新コラム「遙なるコンシェルジュ『男の悩み 女の嘆き』」が始まりました。こちらもご覧ください。

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