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「息の長いビジネス」が生まれる場所

~靴職人・山口千尋~

  • 茂木 健一郎

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2007年9月4日(火)

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 今回お話をうかがったのは英国で靴作りの神髄を習得された靴職人の山口千尋さん。僕は英国に滞在したことがあり、英国での靴に関する文化は少し見聞きしていたが、その本質は理解していなかった。今回のお話は、本物の靴とはどういうものであるか、大変情報量の多いものだった。

 日本の履物の文化では草履が一番理想で、僕にとっての心地よい靴はぶかぶかでピタッとしているのは嫌だと思っていた。山口さんのお話では、本当の靴というものは踵が手で包まれているようなものであるとか、ヨーロッパまでの飛行機の中でもずっと脱がないでいるものだといった、それくらい精密に作られているものだということが分かった。

 こういうことは、英国の良質な靴を履いている文化の中では当たり前のことだが、日本では当たり前ではない。その本当の文化を伝えようとすると、非常に手間がかかるけれど、ずっとライフワークとしてとして続けていけるくらいの広がりがある。成長の“糊しろ”が大きいのだと感じた。

 文化の本当の真髄に寄り添って、仕事をするというのはいろいろ時間もかかるし、なかなか理解もされないし、つらいこともある。しかし大変息の長い仕事にはなる。例えば逆に寿司について考えてみれば分かる。東京のカウンターの寿司の雰囲気は、どんな大きな都市へ行ったとしても絶対にヨーロッパには無い。ということは、文化的には非常に大きな差がある。

 寿司の文化を海外で根付かせようと思ったら、その人のライフワークは絶対に尽きない。そういうことはいろいろな分野であるのではないか。

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挑み続ける者だけが、頂に立つ
NHKの番組サイトへ
NHK総合テレビ
9月4日(火)午後10:00~10:45
・再放送
 総合 毎週火曜 午前1:05~1:49
     (月曜深夜)
 総合 毎週火曜 4:05~4:49
 BS2  毎翌週水曜 午後5:15~5:59
番組公式サイト
本・CD・DVD紹介サイト
 靴作りの本場イギリスで一流の職人にだけ与えられる「マスタークラフツマン」の称号を、靴職人として、日本人で初めて授与された男がいる。山口千尋47歳。
 
 その靴は、足の形にぴたりとあい、手入れをすれば50年履き続けられる。一足一足がオーダーメイド、自らがデザインし、手作業で仕上げられる。値段は、1足10万から40万円するが、注文が後を絶たない。
 
 山口の靴作りには100以上の工程がある。どれも地道な作業の連続だ。しかし、山口は決して単純作業をなおざりにしない。「挑戦的継続」が山口のモットーだ。一人一人違う足の形に合わせた靴作りは、毎回違う難しさに直面する。その壁に挑み、越えることが、職人としての成長に繋がると信じている。
 
 その山口が取り組んでいるもう一つの仕事が、職人の育成。5月、山口は工房で働く10人の若い職人たちに新たな靴のデザインを考えるという課題を与えた。苦しみながら、初めてのデザインに取り組んだ若い職人達。山口のめがねにかなうデザインは生まれるのか、そして山口は靴作りの神髄を伝えることはできるのか、靴職人、山口の仕事の流儀に迫る。


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