「遙 洋子の「男の勘違い、女のすれ違い」」

遙 洋子の「男の勘違い、女のすれ違い」

2007年9月14日(金)

自立とは何か?

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 “自立とは何か”と、考える機会があった。単純に「経済力がある人」=「自立」で、「経済を誰かに頼る人」=「自立していない人」と割り切っていいものかどうか。現在は働いていて収入もあり、自由に言動し、日々の決断を自らがして生きているつもりの私でも、高齢になり、それらの能力が衰えたら、「自立していない人」といわれるのか。
どうも“自立”とは何を明確に指すのか自信が持てないでいた。

 社会学者の上野千鶴子氏の講演に久しぶりに出向いた。“自立とは何か”がテーマだ。そこで、“自立”とは“手段”か“目的”かが問われた。自立には経済面と生活面と精神面がある。自由にできるお金があり、自分ひとりで日常の家事をこなせ、誰かに頼らず生きている、ということだ。しかし、これら3つを網羅している人はなかなかいない。

 家事能力のない仕事漬けの男性や、生活力は万全だが夫に依存する女性もいる。これらのコンビは夫婦としてよく成立している。3つの条件を満たすとなると、彼らは夫婦ともに自立していないことになる。

 一見、3つの条件を満たすように見えるのがキャリアウーマンだ。たった一人でも生きられる最強の“負け犬”とも呼ばれる。そしてそのひとりが、私、だ。

 長年たったひとりで生きていると、たまにだが主婦の友達を重く感じることがあった。 まず、「私の車で送っていかなきゃ帰れない」友達。「おごってあげなきゃいけない」友達。「ぐずぐず愚痴を言うわりに問題解決をしない」友達。私は彼女たちは自立していないからそうなるのだろうと単純に理解していた。

 講演にむけての参加者意見カードに「自分だけ自立していても、他の友達が自立していないと、結局孤立する」と無記名で書いて提出した。大勢の参加者がそれぞれの意見カードを提出した中から、私のコメントを上野氏は取り上げた。

 「自分だけは自立していると明言なさるが、そんなあなたは周りから浮いているはずだ」と上野氏はマイクを握り、そのコメントの主に容赦なく言い放った。もちろん、その主が私であるとは上野氏は知らない。

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著者プロフィール

遙 洋子(はるか・ようこ)

遙 洋子

大阪府出身。タレント・エッセイスト。関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、その体験を綴った著書『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』(ちくま文庫)を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。近著に『主婦たちのオーレ!』(筑摩書房)、『女ともだち』(法研)など。公式ウェブサイトはこちら


このコラムについて

遙 洋子の「男の勘違い、女のすれ違い」

時事問題を独自の視点で切り込むタレントでエッセイストの遙洋子氏が、男と女が食い違うワケをユニークな視点で解説していく

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