知り合いの、20代後半から30代の女性約80人に、「女磨き」に関するアンケートを取ったことがある。インターネットによる調査ではなく手作りアンケートで、知り合いのつてを頼って行った。アンケートの配布先は、一部上場企業、会員制の美容機器販売のお客、某航空会社など。
こういった場所に集まる女性は、概して高学歴、高収入で、美容に熱心である。アンケートには「自分の点数(トータルの自己採点)は何点くらいと採点するか」という設問もあり、この回答は50〜80点までバラつきがあったが、これ以外の設問の回答からは、ある興味深い結果が得られた。それは、次のことである。
1)9割の女性が、若い頃より現在の自分の方が点数が高い、と思っている。
2)8割の女性が「女を磨く努力をすれば、年齢が上がっても女としての価値が上がる」と信じている。
3)10割近くの女性が、「自分と同点か、10点上の男性」と結婚したいと思っている。
ほぼ予想通りの結果であった。女性たちが「女磨き」が好きなのは、「努力は報われる」と信じている人が多いからである。理想の結婚相手に関しては「自分と同じぐらいかやや上」とあまり高望みはしていないし、「上にしろ、下にしろ、あまり違いすぎる人と結婚すると疲れる」という回答も目立った(しかし彼女たちが十分恵まれた生活をしているので、同等かやや上の男性というのは、かなり少ないパイに属するのだが)。
さらに特筆すべきは、「自分がレベルアップしたら、相手の男性もレベルアップすると思うか」という問いには、ほとんどの人が「思う」と答えていることだ。しかし前回も述べたように、この「思う」が実は曲者なのである。
この質問に「それは相手次第」と答えた女性はたった2人だけ。そしてこの2人は、「女磨きの罠」にちゃんと気づいていた。
女性のスキルアップは、男性を遠ざける?
まず1人は、「レベルアップしていく女性を見て、恐れをなして逃げてしまう男もいれば、『俺も頑張らなきゃ』とレベルアップする男もいる」と回答。「いずれにしても、自分は常にレベルアップを目指しているので、後者のような男性でないと、おつきあいできない。こちらがレベルアップするたびに逃げられては、困りますから(笑)」と結ばれていた。
もう1人は「自分が磨けば磨くほど、男性はひいていくと思う」とさらにシビアな回答をしている。彼女はさらに、「磨くべき部分は、素直さ、性格のかわいさ、ダメな部分をつくりそれをアピールポイントにできるしたたかさ」と、さらに鋭く指摘している。「ダメな部分をなくしてピカピカに磨き上げること」は、決して男性にとって効果を発揮しない、ということを、この女性は気づいているのだ。
ともあれ、このような一部の女性を除けば、ほとんどの女性が「女磨きが、男を遠ざけている」ということに気づいていないということを、アンケートの結果を見て実感した。
それでは前回に引き続き、「モテに貢献しない女磨き」を検証していく。「モテ」に貢献しない女磨きの筆頭は、「和もの」であると思っている。カオルさん(31歳)はIT(情報技術)企業勤務で、和装が趣味。仕事場では颯爽とスーツを着る彼女が、休日は着物を着て「ヤマトなでしこ」になる。古着屋で見つけた帯に、京都で買った帯揚げを合わせて、歌舞伎座や銀座を散策。京都にひとり旅をし、お茶を習い、ジノリよりも和食器が気になるというカオルさん。そんな「ヤマトなでしこ」たちが、働く女性の間で増殖している。
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