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クラッシュ&ビルドでソニーは成長した

~ワンビシアーカイブズ 星川恭治社長(3)

2007年10月16日(火)

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職業としての「社長」を自ら選び、活躍している人をお招きし、将来、経営層を目指す人々に、ご自身の経験を語って頂くトークセッション「Road to CEO」。今回は、企業の書類や記録を預かって管理する情報マネジメントに特化したワンビシアーカイブズの社長、星川恭治氏をゲストに迎えた。

ワンビシアーカイブズ 星川恭治社長

 ソニーのM&Aや海外事業を支えたのち、外資系企業のトップを経て、現在ワンビシアーカイブズの社長を務める星川恭治氏。今回は、ソニーの米国事業時代の苦闘や巨額の損失処理を行う決断、そして、ソニーのマネジメントについての思いを語る。

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司会、山中(以下Y) 1988年にアメリカに戻られて、ソニーアメリカの上席副社長とその他、アメリカ関係の財務をほぼ一手に見られるようになったわけですが、これはどういう流れで。

星川 当時、4人のプロジェクトメンバーがいたんですが、誰かそのプロジェクトを知っている人間が現地に行った方がいいということで、私が選ばれたんです。「どうして私ですか」と聞いたら、「いや、星川さんの場合はお子さんは1人でしかもまだ小さい。まず最初に海外経験が1度はあるから2度目は楽だろう。こんなに良心が痛まない赴任命令はない」というのが人事の人の言葉でした。

Y ひどい(笑)。聞くからに、激務になりそうなポジションなのに。

 それだけではなく、ソニーエレクトロニクスの財務部長、米国ソニーのVP(ヴァイスプレジデント)、ソニーキャピタルという金融子会社の社長でもありました。その後映画の買収検討が始まりましたから、やっぱり時差はきついですよ。M&Aですから、その瞬間瞬間、打ち合わせをしなくちゃいけないんですが、夜昼が引っくり返っている上に、やっと寝たと思えば、真夜中日本からの電話でたたき起こされて、時には厳しい内容で顔色がすっと引いていくのが家人にも分かるわけです。

 で、ちゃんと、体を壊しました。ある日、ロサンゼルスからニューアークに戻る夜行便の中で、予定だとそのままオフィスへ朝行くんですけど、体の調子が悪くなって飛行機の中で七転八倒していたんです。腸から出血していました。

なぜ僕は、ホテルで裸でハグしなければいけないんだ

Y 時差だけじゃなくて、相当、交渉相手はタフだったんじゃないですか、特に映画や音楽などのショービス界となると。

 ニューヨークのマンハッタンというところは、生き馬の目を抜くといいますか、米国人でも本当にすごいやつらが集まっていて、日本人1人、日本語が使えない世界で、朝から晩まで切った張ったの交渉をしました。でも結果として、あの時代がなければ次の外資系の会社で、マネジメントなんてできなかったでしょうね。サンディエゴ工場だけの経験だと日本の延長ですから、米国人とさしで交渉するなんてまったくありません。どれも、「ソニーのトップの夢を一緒になってかなえてみたい」という一念があったからできたことでした。

Y 夢に同化しちゃうというか、巻き込まれちゃうという部分もおありだったのでは。

 本来、もう少し業界のことも知って、もっと冷静に財務分析もできないといけなかったんですけど、「まあ、必死になってやれば何とかなるだろう」という部分は正直あったと思います。 

 とはいえ、ちょっと抵抗があったのは、ハリウッドへ行ってホテルにチェックインして、時差取りを兼ねてプールに入っていると、向こうから私の方に向かって来て、相撲取りみたいな肉弾の男性が近寄ってくるんですよね。それで、「ハイ、ケン」なんて言いながら、いきなりあのハグですよ。日本人でメーカー育ちの自分が、ハリウッドのど真ん中で、裸でこんなことをしなくちゃいけないのか、と。でも、頭で納得させた。

 そうやっているうちにだんだん信用されてきた。究極のところ、人と人がどれくらい魂を触れ合うか、ですから。すべての前に、人間としてあいつは信頼できるか。これはコンテンツビジネスを通じて勉強させてもらった。海外でも、決して全員が打算づくや計算高いだけじゃなくて、いい仕事を一緒にしようと、どこかでお互いの気持ちが共鳴しないといけない。それを実感できたことは、大きな自分の財産になっていますね。

Y しかし、米国事業は1994年に経常赤字も含めて34億ドルの損失処理という大変な事態に陥るわけですが、それがあってもやっぱりその、「人は信じなあきまへん」という結論にたどり着くんですか。

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「クラッシュ&ビルドでソニーは成長した」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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