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米国企業で学んだ2つのカギ

~ワンビシアーカイブズ 星川恭治社長(4)

2007年10月18日(木)

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職業としての「社長」を自ら選び、活躍している人をお招きし、将来、経営層を目指す人々に、ご自身の経験を語って頂くトークセッション「Road to CEO」。今回は、企業の書類や記録を預かって管理する情報マネジメントに特化したワンビシアーカイブズの社長、星川恭治氏をゲストに迎えた。

ワンビシアーカイブズ 星川恭治社長

 ソニーのM&Aや海外事業を支えたのち、外資系企業のトップを経て、現在ワンビシアーカイブズの社長を務める星川恭治氏。今回は、バクスターの日本法人社長時代の苦闘と、ワンビシへ移籍した理由を聞く。

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司会、山中(以下Y) ご自身で経営者になりたいと思われたのはいつ頃ですか。

星川 2回目の米国駐在でニューヨーク時代、コンテンツ会社のエグゼクティブボードのメンバーになって、コンペンセーションコミッティの委員にもなったあたりからです。そこで決裁を仰ぎに行くと、「お前の考えはどうなんだ」と。最初、「えっ、それはあなたがお決めになるんじゃないですか」と言ったら、「金輪際、自分の考えを持たずに部屋に入ってくるな」というしごきをいただきました。

Y それは米国人の上司ですか。

 いいえ、日本人です。米国人はそういう人とは巡り会えませんでした。米国人の前で、現地での私の直接のボスのもう1つ上の日本のボスがいた。あるとき、相当分厚い契約書を私が説明しようとした。そうすると、その米国人の前で、いきなり契約書の最後のページを開けて、ささっとサインするんです。米国人はびっくりする。「お前は、こいつに説明させないのか」と言うんですよね。「いいんだ、おれはこいつを信用している」。最高の殺し文句です。それでまた頑張って働いて体を悪くする(笑)。そこまで言われちゃいますと、事前の準備から始まって一生懸命やりますよ、こちらも人間ですから。

Y ただ、ソニーという日本を代表する企業の中枢にいて、「医療系の外資企業、バクスターにいらっしゃい」という話があったとしても、なかなか踏み出せないと思うんです。

 僕はソニーに育てられた気がしています。ソニーが急成長する時代にビジネスの世界に入り、後の年代の人よりはいろいろな経験もさせてもらった。バクスターはシカゴに本社があるんですが、心臓の機能を診断するカテーテル術を世に初めて出した会社なんです。日本ではあまり知られていませんが、アメリカでは尊敬され、ずっと安定成長していた。ケミストリーディファレンスなことになってソニーを出たわけですけれども、そのとき、「もう一度自分の力で試してみたいと思うなら、あえて違う業界の会社の方がいいんじゃないか」と思いました。

Y ご自分の、どういうところを試してみたいと思われたんですか。

 まずは素朴に、(自分が)経営者として通用するのかなと。経営的な見方をするというのも米国で9年間、自ら心がけていたものですから、「自分は経営者としてどんなものか、試してみよう」と不遜にも思っていました。

バクスターでの2つの貴重な経験

Y バクスターの日本法人で社長になられたものの、日本側のせいではない理由で、去ることになってしまうわけですが。

 米国本社がM&Aを3つほど続けて失敗したんです。あちらのアナリストは遠慮会釈がありませんから、CEOが能力なしだということで、バクスターの株をノットリコメンド(非推奨)と変えるわけです。60ドルしていた株価が20ドルを割り込むぐらい落ちていきます。

 そうすると当時のCEOの人が変わりました。信じられないぐらいの変わりようでした。結果として出された結論の一つが、私は当時日本代表だったんですけれども、日本代表のポジションもエリミネートすると。本社の人事が日本の人事、本社の製造担当が日本の工場を見る。それは話が違うということで、辞めました。

 でも、バクスター時代に2つ、すごく勉強をさせてもらったんです。1つは米国の会社の企業運営です。例えばソニー時代は、トランスファープライスを決める際、毎年1度海外子会社の首脳陣と本社の人間が大変な交渉をしていたんです。自分の成績にかかわってきますからね。バクスターへ行くとそんな議論は一切ゼロなんですよ。

Y なぜですか。

 財務会計の帳簿と管理会計の帳簿がきれいに分かれていたんです。だから、私が社長をやっていたころ、私の評価というのは日本にある子会社の財務会計では評価されない。グローバルな管理会計に基づいてされます。本社にタックスプランニング担当のVPがいて、各国の税制を全部調べ上げて、どこに価値をプールすると最大資金効率が得られるかということをやるわけです。トランスファープラスはその人たちが決定します。「おお、ここまで徹底してやるか」というのが1つです。

 もう1つは、私はソニー時代、営業をやったことがなかった。バクスターは日本での歴史がもう40年とかあって、すべて最初の製品はマーケットシェア100%なんですよ。それぐらいユニークなものを持っている。ところが何年かたつと、じわじわっとマーケットシェアを日本勢に取られるんです。中のことはほかの人に任せて、北海道から九州までドクターのところをずっと回って、「なぜだ」と理由を聞いて廻りました。

Y その理由とは。

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「米国企業で学んだ2つのカギ」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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