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CSR解体新書(13)貨幣の本質は情報だった

出資法違反に問われた「円天」が生まれたワケもここにある

  • 伊東 乾

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2007年10月10日(水)

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 「お金は情報だ!」と言ったら、皆さんはどんなふうに思われますか?

 実はこれ、比喩でもなんでもなく、確かな背景のあるお話です。後で触れますが、出資法違反の疑いで強制捜査を受けたエル・アンド・ジーが発行した「円天」という電子マネーもお金の本質が情報だから生まれたのです。

 さて、この「CSR解体新書」にはもう1つの「裏テーマ」を設定しています。以前にも何回か、ちょっとだけ触れているのですが、それは「地球環境問題とCSR」を拡大して「情報の環境問題」を企業の社会的責任から考える、というものです。

 「情報の環境問題」。耳慣れない言葉かもしれません。でも、ちょっと考えてみると、実はなかなか奥が深い問題設定なのです。

 実は日本は、国際的にまだ手のついていないこの分野で内外をリードできるうまい位置に立っています。日本企業が国際的にCSR(企業の社会的責任)でイニシアティブを取っていける、一番大きな可能性がここにあるのではないかと私は考えているのです。

 ここで一番重要なポイントは、実はお金も「情報」であるという事実なのですが、いきなり言われるとビックリするようなお話です。ちょっと掘り下げてみたいと思います。

情報の講義で人気の高かった岩井克人・経済学部教授

 2000年の春から大学で情報関連の科目を教えるようになった私は、「○○と情報」というタイトルで、連続モノのビデオクリップ講義を作ってみることにしました。

 東京大学教養学部の必修科目「情報処理」の講義演習を、折からの「ブロードバンド化」に合わせてオーディオビジュアル化しようというアイデアです。

 最初の4年間は、90分の講義の中、毎年、毎週、授業最後の20分ほどをビデオ教材を用いる時間に充てて、その場に居ない、かなり贅沢な講師陣による「○○と情報」というバーチャルなオムニバス講義をオーガナイズしてみました。

 初期のラインアップを書いてみますと

「大学教育と情報」   白川英樹・筑波大学名誉教授
「医療と情報」     小野木雄三・東大中央医療情報部助教授(当時)
「権力と情報」     佐々木毅・東大総長(当時)・前法学部長
「コンピュータと情報」 坂村 健・東大情報学環教授
「経済と情報」     野口悠紀雄・早稲田大学大学院教授
「エネルギーと情報」  小宮山宏・東大工学部長(当時)
「知的財産権と情報」  玉井克哉・東大先端科学技術研究センター教授
「フェロモンと情報」  森 祐司・東大農学部教授
「都市と情報」     大垣眞一郎・東大工学部教授
「ゲノムと情報」    高木利久・東大医科学研究所教授(当時)

 といった具合です。

コメント5件コメント/レビュー

蛇足的なコメントかもしれませんが、お金が情報だとすれば、それはお金を発行している国に対する信用の情報だと思います。それゆえに円やドルなどの通貨間の関係は、日本とアメリカ(全世界ですが)を取り巻く環境によって変動するのだと思います。お金が単なる数値や記号という情報しか有していないのであれば、唯一の機関がお金を発行して、皆でそれを基に行動すれば、一番合理的なはずです。とすると、働くということは国によって裏付けられる信用という情報を得ていることになるのかな。なんとも奇妙な感じです。            新卒社員(2007/10/11)

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いただいたコメント

蛇足的なコメントかもしれませんが、お金が情報だとすれば、それはお金を発行している国に対する信用の情報だと思います。それゆえに円やドルなどの通貨間の関係は、日本とアメリカ(全世界ですが)を取り巻く環境によって変動するのだと思います。お金が単なる数値や記号という情報しか有していないのであれば、唯一の機関がお金を発行して、皆でそれを基に行動すれば、一番合理的なはずです。とすると、働くということは国によって裏付けられる信用という情報を得ていることになるのかな。なんとも奇妙な感じです。            新卒社員(2007/10/11)

コメントをありがとうございます。伊東です。じっさい、貨幣の記号性、信用の問題は本質的です。それを言葉で表現すると同時に、確率量として式でも定義することで、実際にお金の金額まで扱えるというのが「情報化」の本質的利便です。60年代以後のファイナンス理論はすべてこれに立脚しますが、システムが咬むことでこうした本質の骨子が容易に見失われ、結果5万人1000億とも言われるL&Gの詐欺被害が出たりする。それらへ、お金の定量性を含む形で再犯防止対策を立てることが可能であることから「貨幣は情報!」と見出しでクリアに断じてみました。次回はL&G詐欺の具体に沿ってこれを展開する予定です。どうか引き続きご指摘いただければ幸いです。10月11日 伊東 乾 拝(2007/10/11)

コメントを頂戴し、心からお礼を申し上げます。伊東です。貨幣の記号性、価値の共同幻想性は本質的な問題でありますが、それを「人間の信頼」「価値の共有」という言葉で語った上で、それらを確率量として定義することで、現実のお金の問題を定量的に取り扱うことができるのが、貨幣は情報である、と断言することの本質的なご利益です。これを元に1960-70年代にファイナンスの理論が作られて、現在の電子市場が成立しているので、取り立てて珍しいことではないのですが、携帯電話などをちょっと噛ませることで、多くの市民にその本質を容易に見失わせることで「L&G」のような詐欺がまかり通り、5万人1000億とも言われる被害が出てしまう、それでこのような設定にしています。すでに脱稿している次回では、情報とそのコーディング(=信用の裏書き=相場の根拠)という観点でL&G詐欺をきわめてシンプルなモデルでご説明し、システム性、定量性を含む再犯防止対策の議論から、企業に求められる社会的責任のコアを示したいと思っています。川嶋編集長、せっかくコメントを頂戴したので、可能でしたらリプライのご掲載いただければ幸いです。 どうか引き続き、ご指摘いただければ幸いです。            10月11日伊東 乾 拝(2007/10/11)

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