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コミュニケーションの決め手

2007年10月12日(金)

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 親の死と同時に数々の法要と相続手続き等が押し寄せてくる。

 私の実家は古いしきたりが残る土地だ。そこで私は幾度も慇懃に「ここからは男だけで」と、女子供として排除される目にあった。だが先日の法要は違った。「ここからは男だけで」と言われた瞬間、私は「じゃあ私は今日呼ばれて来たけど、帰ります」と席を立った。瞬時にその場の空気が険悪になった。

 「男だけで」と言った男性の妻がその空気に辟易し「ええかげん学習せい」と小声で夫を叱った。“伝統”とやらに触れる度に必ず遭遇する私と男たちの喧嘩にその男の妻が悲鳴をあげたのだ。

 そりゃ妻にしてみればまる1日がかりで来客向けに準備した料理を毎度の喧嘩で台無しにされることを思えば、和やかな歓談と会食を望むのも理解できる。予想外の加勢を得た私はこれまでになく勢いづき声を荒げ、ついでに声高に言ってみた。

「参加するのなら私だけじゃない。そっちの女性全員、参加すべきだ」

 すると、意外にも女たちがぞろぞろやってくるではないか。多勢に無勢で男たちも押し黙るしかなかった。「革命か」と思うほど私は驚いた。

 この“伝統”の改革は急にはやってこなかった。絶対譲らない私と、同じく、これまでのやり方を死守しようとする側との戦いは、その終わらなさへの疲弊によって改革せざるを得なくなった。私が格闘したのは実は“伝統”ではない。1つの発言によって気分を害する人間がいる、と声を上げたまでだ。

 事の本質は、そのメッセージを受容するか拒絶するかの、実はコミュニケーションの問題だと(私は)思っている。“伝統”はあくまで拒絶の大義名分であって、コミュニケーションを拒絶する人間と、私は格闘していたのだ。

「遙 洋子の「男の勘違い、女のすれ違い」」のバックナンバー

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「コミュニケーションの決め手」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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