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メディアの罪

2007年11月9日(金)

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 突然、大自然に触れたくなって南の島に一人旅した。そこはまだ人の手に荒らされていない自然が残る島として名高い。私はそこで著名なリゾートホテルに宿泊することにした。ガイド付き森の散策を始めとし、フィットネスやプール、レストラン、広大な庭園等、充実していたからだ。

 昼は森を散策し、夜はフィットネスと夢は膨らんだ。さっそく予約電話を入れると「素泊まりで3万円です」と言われた。「朝食もついてないの?」「はい。別料金です」。普通、地方の宿だと3万円出せば朝夕食ついている。その時から「・・・」という思いはしていたのだが、“大自然”と“リゾート”に惹かれた私は価格に目をつぶることにした。

 まず、飛行場につくなり悪い予感が的中した。小さな島の空港にそれぞれの宿の出迎えが客の名前を書いた札を持って立っていた。私も探したが、私の名を持った出迎えはなかった。やがて空港には誰ひとりいなくなり、私ひとりだけがポツンと立っていた。「あれ?」とホテルに問い合わせると、確かに迎えに出たとのこと。20分待ってもバスは来ず、すでに私は癒しどころか、頭から湯気を出してホテルに何度も電話をしていた。

 やっと迎えが来てホテルにチェックインすると、「山へ入られるなら今、弁当の予約をしてください」と言われた。私は「あのね、まだどんな山の散策コースがあるのかさえ分からないの。弁当が要るかどうかも分からないの。すぐ予約なら、すぐ決めるけど、この島の観光コースは部屋のパンフレットを見れば書いてあるんですか?」と聞いた。すると「そういったパンフレットはございません」と返事した。

 その島は森の散策が有名だった。そのリゾートホテルもそれを売りにしていながらその不親切さに私は「この島の案内を書いたものは紙一枚もないのですか」と怒りを隠さなかった。するとフロントは引き出しをゴソゴソと捜し、案内らしきものを私に渡した。それはホテルが作ったものではなく、ガイド会社が置いていったものだった。さっそく予約すると「あいにくガイドの空きがありません」と断わられた。

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「メディアの罪」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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