• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「中国産」より「夕張産」を自慢!

  • ナタリア・ロシナ

バックナンバー

2007年11月20日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 札幌で大変お世話になった人から「ナタリア、あなた定山渓を見捨てて、夕張と不倫した!」と言われた。

 私が経営する会社と自宅は札幌市内にあるが、夕張へは、時間が許すときに顔を出す。札幌と夕張の間は、車で1時間半くらいだ。

 雪国に住んで毎日スキーがしたかった私は、本当は北海道の定山渓に住むのが夢だった。夕張なんて、メロンのことしか聞いたことがなかった。1個30万円もする夕張メロンなんて、金持ちしか食べられないと思っていた。でも、今は夕張のことが気になってしかたがないのだ。

夕張の錆びた看板を、ボランティアで塗り替えた

 北海道以外のところに住みたくない。でも、東京は元気なのに、北海道が不景気なのは気になる。まったく変化をせずに、腐っている経済と一緒に腐る道を選んでいる企業が、なぜか北海道には多い。

 私は周囲の不景気を気にせずに、とにかく自分の力で成長をしようと思った。そういうやり方を、これまで私は選択してきた。

 ただ、自分が成長すればするほど、周りの経済は腐っていき、その差がだんだんと気になっていった。そのうち、夕張の倒産のニュースが流れた。
 「なぜ同じ北海道の中で、ニセコ町は成長しているのに夕張は倒産するの?」

 車を運転して、札幌から夕張に向かった。夕張に入ると、スイスみたいにきれいな環境にびっくり。その中に錆びた「ようこそ夕張へ」のウェルカム看板。倒産でお金がないからペンキにお金をかけたくないのはわかるけど、やっぱりウェルカム看板くらい元気にすべきと思った。

夕張のウェルカム看板を市民と一緒に塗り替えた

夕張のウェルカム看板を市民と一緒に塗り替えた

 さっそく自分のブログに「どこかのボランティアがペンキをぬれないかな」と書いた。他にも、夕張に行って驚いたことと、私なりの改善案をブログに書いた。でもそれに対しての反応は全くなかったので、『夕張への手紙』というタイトルの本を自費出版してしまった。本の表紙に錆びたウェルカム看板の写真を載せたら、本を読んだ人が無償で作業車を貸してくれ、市民が実費でペンキを塗り替えた。もちろん、私も作業を手伝った。

きれいになった看板が迎えてくれるて嬉しい

きれいになった看板が迎えてくれて嬉しい

 次に車で夕張に入る時、元気な看板がウェルカムしていたので、幸せな気持ちで涙が出た。やろうと思えば、何でもできるよね!

とにかく夕張にお金を落そう!

 それから、夕張でどのようにお金を落すことができるかと考えるようになった。とりあえず、車のガソリンを入れる、ご飯を食べる、お土産や野菜や文房具を買う、髪を切る、というように、普通の生活に必要なことを夕張でしてみた。

 インターネットを使って、農産物の卸などを行っている夕張の会社には、私の夕張での勉強会のビデオを作って、インターネットのYou Tubeで流してみないか、と提案した。その会社は喜んで作ってくれた。ビデオを見て、日本全国からだけではなく、スイスで経営学を勉強している日本人の学生からも感動のメッセージが届いた。夕張からスイスまで、こんなに簡単に喜びを届けられるんだと嬉しくなった。

 夕張の食品メーカーには、自分の会社で扱っている蜂蜜を送った。何か商品開発に生かせないかと思って。開発の結果を楽しみにしている。

 昔から文房具を作るのが私の夢だった。本を出版するという夢を夕張で実現できたので、文房具も夕張で作れるんじゃないか、と頭に浮かんだから。とりあえず、印刷会社を見つけたので、まずはノートから始めようと決定。今、準備をしている。早く発売しなきゃ。

 日本の多くの企業は、中国で色々なものを作りたがる。「中国産」ではなく、「夕張産」は私の自慢。私のヘアカットから商品開発まですべて。自分の地域を成長させるのは、自分のやる気次第。経済が腐るのは、自分達のせい。

 色々な失敗をするかもしれないけど、本物を夕張で作ってみたい。次のチャレンジは、生産コストを下げるため、コストダウンと効率と変化について、夕張の企業と一緒に勉強し、アクションを起こすこと。それができれば、夕張は中国にも世界にも負けない。

飛び込みで販売先を開拓、取引先は数百社に

 私は1999年の秋に北海道の札幌に移住した。3年間、農業関連の会社で働いた後、ITを使って日本の農業を改革したいと思い、2003年に自分の会社を作った。農業改革だけにとどまらず、薬に頼らない健康作りを提案したいという思いもあって、今ではマヌカ蜂蜜を始めとした自然食品の輸入・販売なども事業の一つとなっている。

 蜂蜜の販売先は、飛び込みで開拓した。観光地や駐車場の売店、喫茶店やスーパーなど、ここで売れないかな、と思ったところには、みんな自分で交渉しに行った。

 札幌の駅ビルに空いたスペースを見つけたときもすぐに管理者に会いに行った。「ここは店の場所じゃない」と最初は断られたけれど、交渉したら「自分で売るならいい」と場所を貸してもらうことができた。

 こんなふうにゼロから始めた仕事だけれど、全国で行われる展示会に積極的に出展したこともあり、今では取引先は数百社にもなった。インターネットや電話での注文も受けられる体制を整え、売り上げは毎年、伸びている。札幌の自宅近くに事務所を借りて仕事をしている。従業員は3人だが、社外のコールセンターを利用するなど、アウトソースを活用して事業を行っている。

コメント11

「ナタリアの脱・言い訳、即・アクション」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授