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法律では防げないネットいじめ

ザル法作りは税金投入のムダ(CSR解体新書21)

2007年12月18日(火)

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 総務省は12月6日、電気通信事業法、放送法など現行の通信、放送関連の法律を一本化して「情報通信法」(仮称)として2010年の通常国会に提出する方針を発表しました。

 今回はこの法律が構造的、本質的にザルだということ、でもザルで構わないというお話をいたしましょう。問題の本質的解決は、法規制ではなく、実効性あるCSR(企業の社会的責任)旋策の推進によってこそ可能になる、というアウトラインです。

「表現の自由」からのネット規制反対

 総務省サイドの言い分はこんな具合です。「社会的な影響の大きいインターネットのコンテンツを、現在の放送と同じように(1)政治的な中立性が保たれているか(2)公序良俗に反していないか――などの観点から規制できるようにする」と。

 こう書けば当然、新聞社や通信社による記事のネット配信、音声動画報道なども規制対象となります。マスコミがこぞって「報道の自由」「表現の自由」を求めて、法案に反対するのは当然でしょう。しかし、問題は単にそのレベルにはとどまらないのです。

無策な諮問機関

 この法案は総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」(座長、堀部政男・一橋大学名誉教授)がまとめた報告書で制定が提言された格好になっています。

 私も若干、政策ブレーンの経験がありますので分かりますが、次のような手順だと思います。

 担当官庁が「こういう法律を作りたい」と考えて、それに合致する意見を言いそうな「有識者」なるものを集めて会議を開き、「必要性」があるという予定の結論を導き出し、総務相の諮問機関である情報通信審議会に制度の見直しを諮問して新法の具体案を詰める――。

 座長の堀部さんという方には面識もなく、また何の他意もありませんが、この会議もまた典型的にお決まりの「御用会議」らしく、報告書にはわざわざ学識経験者が答える必要がある内容がほとんどないように見えます。

 具体的に、逐一指摘してみましょう。

官製シナリオをなぞるだけ

 報道によれば、この報告書は「高速大容量のネットの急速な普及や放送のデジタル化によって、テレビ番組をネットで視聴できるようになるなど放送と通信の融合が進んでいると指摘」したとあります。

 こんな程度のことは別段、有識者の先生でなくても、一般市民でも普通の官僚でも言えることです。

 さらにこの報告書は「放送とネットのコンテンツについて、社会的な影響力の大きさに応じて段階的に規制する枠組みを作るよう提案」しています。

 これまた典型的な「官庁がパターン化している規制の具体策」です。学者が言うことではありません。

 要するに役所が管理しやすいスキームを、有識者の口で語らせているだけに過ぎない。これは決して悪口ではありません。見たとおりを言っています。もっと中身を踏み込んで見てみましょう。

役所の便利で作ると本質的病巣は素通り

 官製報告書は「社会的な影響力の大きさを、(1)視聴者数(2)有料か無料か(3)映像、音声、データの種別――などの基準で分類し、特に公共性の高いメディアサービスに対しては現在の地上テレビ放送並みに規制するよう求めて」います。

 これを文字通りに受け取ると「視聴者数が多く」「有料で」報道機関や企業から配信されるコンテンツを規制する、と読めます。これは要するに、役所が管理しやすい対象に過ぎません。

 逆に「視聴者数が少なく」「無料で」配信されるものについては、国民一般の表現の自由の問題がありますし、さらに規制してもコストばかりかかって実入りがありませんから、できれば役所としては手をつけたくない。

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