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評価の定まらないものと向き合う「特権」

~キュレーター 長谷川祐子~

  • 茂木 健一郎

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2007年12月18日(火)

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 目の前で次々に生まれていく現代アートに向き合うことは、いままさに自分が生きているこの時代と向き合うことだ。いま、ここにあることと向き合う。この感覚は、あらゆるビジネスにおいても大事なことだ。アートの世界に限らず、どうしても評価の定まったものばかりを見ていると、自分の感性が本当の意味で鍛えられるということがないのかも知れない。

 今回お話を伺った、現代アートのキュレーター、長谷川祐子さんは、新しい作品に向き合った時に、素朴な感覚において『これは違う』と感じるのか、それともこれには「あった!」あるいは「見つけた」と感じるのかを重視している。評価が定まったものばかりを扱っているのだと、ずっと「良い」「良い」と言っていればいい。「違う」と「あった」の批評性というのは、インキュベーションをする人にこそ、必要なのだと思う。

 長谷川さんは、関わるアーティストや観客に対して、「誤解されること」を恐れてはいけないと言う。むしろ積極的に「誤解と理解を生み続けるのがキュレーターの仕事」であるとさえいう。どんな作品や意見も、別の場所に移動すれは、新しい解釈が生まれる。

 どんな分野でも、アウトリーチするということは、仲間内のロジックではなく、他者と向き合うことだから、そこには必ず誤解が生まれる。しかし、誤解も生まれるけれど、それは誤解が生まれなかった状況よりは、良いのだと長谷川さんは言う。ビジネスの世界でも新規開拓とか、あるいは事業を拡張していくといった時に、この感覚は、必ず必要になってくる。

 「銘物の茶碗」のように、1つの作品は、人の視線を受け続けることによって、オーラをまとっていく。そうしたものに、どのステージで関わるか。長谷川さんのように、まさに一番最初に関わるか、あるいは、既に出来上がったものやロングセラーを維持していくという仕事もある。長谷川さんが「最初に関わる特権」と、おっしゃるように、一番最初のところに醍醐味がある。キュレーターは、創業者利益こそ得ないものの、一種の起業家なんだと感じた。

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アートは人を“自由”にする
NHKの番組サイトへ
NHK総合テレビ
12月18日(火)午後10:00~10:45
・再放送
 総合 毎週火曜 午前1:05~1:49
     (月曜深夜)
 総合 毎週火曜 4:05~4:49
 BS2  毎翌週水曜 午後5:15~5:59
 今、現代アートが注目を集めている。「難解で高尚」というイメージは、今は昔。その静かなブームを支えるひとりが、キュレーター・長谷川祐子だ。キュレーターは、展覧会の企画から、作家や作品の選択、展示の配置など、そのすべてに関わる、いわば展覧会のプロデューサー。
 
 美術館が注目を集める中、その仕事にも関心が集まっている。長谷川は年間130万人を集める人気美術館、金沢21世紀美術館の立ち上げに参加。キュレーターの中心として、その大成功を支えた。
 
 この秋、現在の職場・東京都現代美術館で、長谷川は新たな挑戦に乗り出した。13か国のアーティストを招いての企画展の開催だ。「どれだけアートに興味のない人たちを取り込めるか。それが成果の分かれ目」という。出品作品の半分近くが新作のため、どんな作品に出来あがるのか、本当に実現できるのか、不確定要素はつきない。
 
 番組では、展覧会開催までの舞台裏に密着。重さ1トン、高さ14mの巨大な物体が宙に浮く作品や、廃材などを集め実物大の小屋を展示室内で制作する作品など、個性的なアートが産み出される過程に、長谷川はどう関わるのか。普段は明かされることのないキュレーターの現場に迫る。


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