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ネットいじめは巡り巡って自分を傷つける

徹底的な教育しか防ぐことは不可能(CSR解体新書22)

2007年12月25日(火)

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 法律で規制することができない「ネットいじめ」。では技術で予防したり、対策を講じたりすることはどこまで可能なのでしょうか? 

 残念ながら技術的対策だけでは、これを規制しきることはできないし、またそうすべきでもないのです。

 本質的な対策は、実はユーザー自身の意識を変えてゆくこと、つまりリテラシーを本質的に向上させる教育(あるいは「矯正」)による、ヒューマンファクターの改善にある、というのが今回のお話です。

「ネットいじめ」はデータ事故

 ネットの濫用、すなわちネットワークアブユースを引き起こすものの正体はいったい何か? 

 計算機システム上で考えれば、ソフトウエアにもハードウエアにも起源はありません。もっぱらユーザーが、性善説で設計された「想定外の利用」をすることで、様々なアクシデントが引き起こされます。

 もちろんハードやソフトに由来する事故も存在するわけですが、それらは適切なシステム改善やデバッグで取り除くことができる。ですからそれらシステム側の原因ではなく、もっぱらそれを用いる人間が、困った行動(「ネットワークアブユース」)を取ることで発生する問題を、以下では考えていきたいと思います。

 さらに、ここではネットワークのケーブルを切断するとか、ルータをぶっ壊すといった物理的な破壊、あるいはシステムを崩壊させるウイルスをばらまくなどのサイバーテロリズムの問題も別論としましょう。

 通常のユーザーと同様にネットを使用しながら、そこに記される情報が意図的に改ざんされていたり、悪意に基づく有害情報が流されるなど、もっぱらコンテンツの内容レベルで問題があるケースだけを考えてみたいと思います。

 そしてまさにこの部分で「ネットいじめ」などの問題が発生します。「いじめ」以外にも、プライバシーの漏出など、様々な情報事故(あるいは事件)が引き起こされますが、改めて整理するなら、これらは「データ上」で発生する問題であることに注意しておきましょう。

 ソフトウエアやハードウエア自体に問題があるのではなく、データに書き込まれ、通常通り読み書きできる内容が問題を含むという時、テクノロジーはどういう対策を取ることが可能なのでしょうか?

文字データなら「言葉狩り」可能

 例えば以下のような「対策」を立てることが可能でしょう。Googleなどの検索エンジンで使われている「自然言語処理」という技術があります。これを用いて、例えば「いじめ」という言葉が載っているホームページを片っ端から発見することは、技術的に可能です。

 例えば今、「いじめ」と言う<言葉>が良くないということになったとしましょう。「その表現さえなければ問題は解決する」という「技術的対策」を取ることにすると、どうなるか?

 テクニカルには「いじめ」という言葉が表示されているホームページのソースファイルを破壊したり、あるいはその情報を搭載しているサーバーをクラッシュさせる、そのデータを他のユーザーに提示することが不可能になる「強硬手段」を取ることは可能です。

 特定の言葉を含むページを発見したら、見つけ次第サーバーごとクラッシュさせる「言葉狩り」システムを組んでおけば、情報環境は見かけ上、とても「清潔」に保たれて見えることでしょう。でも、そんなことをすべきだと、私は決して思いません。

「言葉狩り」では解決しない

 これに類する情報統制は、実際に中国で行われていると聞いたことがあります。実際、中国では国の内側に向けてセキュリティーの情報障壁が張り巡らされており、Wikipediaのような一般的なページを閲覧することができません。

 このように、文字データが対象になっている場合は、自然言語処理技術を用いた「言葉狩り」をすることが可能です。

 特定の管理人が、自分のシステム上にルールを設けて、悪質な情報や差別発言など規制するのはあるべきことですし、現実に検索システムはネット管理に多用されています。

 ちなみに、真偽のほどは分かりませんが、言語処理技術による検知の回避を一因として、「俺」を「漏れ」あるいは「死ね」を「氏ね」など誤変換を援用して言い換える「2ちゃんねる言語」が生まれたという説を聞いたことがあります。

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