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伊勢丹で学んだ、リスクとリターンの操り方

~元 トッズ・ジャパン上級副社長 田代俊明氏(1)

2008年1月22日(火)

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 将来、経営層を目指す人々に、プロの経営者からご自身の経験を語っていただくトークセッション「Road to CEO」。今回は、グッチをはじめ、ギャップ、アバクロ、ゼニア、ボッテガ・ヴェネタなど、数多くの海外ブランドの日本展開に尽力し、最近ではトッズ・ジャパンで活躍した田代俊明氏をゲストに迎えた。トッズ(TOD'S)はイタリア発祥で、靴とカバンを中心にした総合ブランドである(このインタビューは2007年秋に行われたものです)。

元 トッズ・ジャパン上級副社長 田代俊明氏

 田代氏は青山学院大学法学部を卒業後、伊勢丹に入社し、婦人服、伊勢丹シンガポールなど海外勤務を経て、バーニーズジャパンを立ち上げ、同社日本法人の社長を経て、伊勢丹を退社、1997年にグッチグループに入り、グッチブランドの日本における市場拡大の立役者となった。2004年グッチグループを離れ、現在はジョージ ジェンセン、などの経営に携わっている。

 伊勢丹での人材育成の話からはじまり、「1テイストの百貨店」を目指したバーニーズ設立の経緯、ブランド業界の知られざる内幕、外資系の日本法人をうまく経営するコツまで、時間の許す限り、熱く語っていただいた。

 司会は日経ビジネスオンライン副編集長の山中浩之と、インディペンデントコントラクター協会理事長を務め、様々な企業経営の現場に立ち会ってきた秋山進氏。テーマ別に5回に分け、火・木曜日に掲載する。

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司会、山中(以下Y) 伊勢丹のお話からいきますが、特に新人時代、「こんなことを教わった」みたいな思い出はありますか。

田代 伊勢丹の特徴は体育会系で、夜中の2時、3時まで飲みにつき合わされて、ちょっとでも逆らったことを言うと、そこらにあるものをすぐに投げつけられるんです。

Y はぁ、モノを。物理的に。

田代 それから連帯責任というのがありまして、同じフロアにいる新人が何を失敗しても、「新人集合!」となって、非常口の鉄扉の裏に新人が集まるんですよ。集まった途端、名前は言わないで、「お前ら新人の誰かがこういう間違いをした」と言われるわけですよ。

 伝票の記入を間違えたとか。当時、電卓もないですから、パニックに陥るんですね。揚げ句の果てに、「目をつぶれ」が始まるわけですよ。上司がほうきを持ってきて、みんなを引っぱたくわけです(笑)。「もう、こういうことしちゃあいかん」とたたくんですよ。

 それで、同期で結束して、間違ったことを二度としないためにはどうするかという打ち合わせをしょっちゅうやるわけです。例えば、掛け率表を作って、3900円、4900円、5900円と、こちらに60、62、63%というのが書いてあって、それでもうコストの表ができているわけですね。

Y なるほど。

田代 「これを全員が持って、伝票に当たろう」という連帯感が生まれるわけです。そういう意味では、何かミスがあったときに、どうやって解決したらいいかを考えさせる、非常にいい文化を持った会社という記憶があります。

司会、秋山(以下A) お店の売り場と、商品を仕入れるバイヤーの関係はよかったんですか。

田代 それは小売業の中で、いつももめる部分ですね。お客さんの目の前に立っているのは販売員で、そういう意味では販売部は優位性がある。ところが、小売業は何を売るかという、物が優先せざるを得ない性格も持ちます。その、物をつかさどるのが商品部。

 物を優先させるのか、お客さんの意見を優先させるのか、非常に重要な問題でした。どの百貨店も、商販分離か、商販一体か、過去の歴史の中で、くっついたり離れたりというのがあったと思います。

女性水着をはいたり、着けたり

A 田代さんも、最初は売り場で、バイヤーで、またお店、という。

田代 そうですね。当時、係長登用試験を受けると、通常は販売に1回、回されるんです。1~2年やったうえで適性を見て、商品部か販売部に分けられるんですが、私はどういうわけか、係長登用試験を受かった途端、バイヤーの方に持っていかれちゃって、同期の中では珍しい部類だったんです。

 その前に実は婦人水着を3年やらされまして、狂おしくもエッチな3年間を婦人水着で経験させていただいて、「女性の体とは何か」というのが、だいぶ分かるようになりました。そのときに初めて、なにかが目覚めたような、まあ冗談ですけど。

Y あ、冗談なんですか(笑)。

田代 婦人水着は男1人しかいなくて、バイヤーが1人と、私がその販売で1人だったんです。婦人水着は、冬に全部、発注するんです。発注して製品ができると、夏を待たずして大量納品です。たくさん確保した方が勝ちで、当時は本館2階で、水着の展開をやっていて、月ごとに売り場を拡大していくスケジュールを組んでいて、商品の搬入とスペースの拡大を、私1人で背負って。それも入社2年目からスタートしたので、右も左も分からない中で、上司にくっついて発注に行く。水着のショーもありましたし、「ショーだけでは女の体は分からない。はいてみろ」と言われて。

Y うわー(笑)。

田代 はいたり、ブラを着けてみたり、それからワコール、トリンプ、そういうところの展示会とショーにも行って。当時、伊勢丹と言えば、有名な百貨店ですから、一番前に座らされて。

Y なるほど、そこで。

田代 かぶりつき状態で、もう鼻血を抑えるのが精いっぱいで。にこりともできずに。にやっとすると、怒られたもんですから。目の前で見て、「うーん」なんて言いながら。これが結構、勉強になったため、係長になってすぐバイヤーの方に異動させられたと思うんですけれどね。

A バイヤーの中で、当てる人、当たらない人、その差を分けるものは何かあるんですか。

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「伊勢丹で学んだ、リスクとリターンの操り方」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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