• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

9割の「見えない仕事」を突き詰める

~すし職人 小野二郎~

  • 茂木 健一郎

バックナンバー

2008年1月8日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

今回お話を伺った小野二郎さんは、いまや寿司職人として世界に認められる人だ。しかし寿司職人になったのは、そうしないと食べていけなかった、あるいは店を出すのにお金がかかりすぎて準備ができなかったといった実際的な理由だった。

 自分に合った仕事を探して、どんどんさまよい歩くという時代の風潮に対して、小野さんは出会った仕事に誠心誠意、自分を合わせていった。そのことと、寿司という、制約がありながら無限の広がりがある世界の奥義をきわめるということはつながっている気がする。そういうことを我々は忘れてしまっているのではないか。これが今回受けた一番のメッセージだった。

 寿司の世界に限ったことではない。確かに仕事で自分を表現することは大事なことだが、考えてみれば生活のために仕事をするというのはそんなに悪いことではない。そもそも生き物としては、生きなければいけない、食べていかなければならない、というのが基本だったはずだ。

 小野さんとお話していて「謙虚さ」を強く感じた。あそこまで行きながら、まだ謙虚さを持ち続けている。謙虚というのは、自分のできることがよく分かっているということだ。小野さんは、お客さんにお渡しするこの寿司がすべてで、そこに至る自分のできること全部がちゃんと頭に入っている。そういうところから、謙虚さが出てくるのだと感じた。

 小野さんが普段使われている道具は、本当にきれいで芸術品のようだった。新品じゃないかと思うほど、毎日毎日掃除をしている。「きれいごと」だから、きれい過ぎて困ることはない、と小野さんは言う。そういうことが本当に寿司の味に反映されるのか?と思う人がいるかもしれない。しかしそれをないがしろにしないということが、すべてにつながっているはずだ。

 道具の1つひとつに、探究心が結実している。寿司というものは、素人でも生魚を切って形を作ることくらいはできる。しかし、それとプロがやることでは、驚くくらいに違うことを今回強く感じた。

次ページ >>

修業は一生終わらない
NHKの番組サイトへ
NHK総合テレビ
1月8日(火)午後10:00~10:45
・再放送
 総合 毎週火曜 午前1:05~1:49
     (月曜深夜)
 総合 毎週火曜 4:05~4:49
 BS2  毎翌週水曜 午後5:15~5:59
 日本を代表するすし職人・小野二郎、82歳。すし職人として「現代の名工」に選ばれ、今年11月にはフランスの伝統あるレストランガイドの東京版で、最高の「三つ星」に輝いた。小野は三つ星の評価にも「実感がない」と繰り返す根っからの職人だ。
 
 現役で店に立ち続けるために、毎日40分歩いて店に向かい、外出時には指を保護するために、手袋を欠かさない。「すしは握った直後がもっとも美味しい」というのが信条。流れるようなその握りは、「次郎握り」と呼ばれる。
 
 番組は、三つ星に決まる前から小野の仕事に密着。フレンチの有名三つ星シェフ、ジョエル・ロブションを店に迎えての「真剣勝負」の様子など、すし職人・小野二郎の仕事に迫る。


コメント2

「茂木健一郎の「超一流の仕事脳」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

プロフェッショナルとして、勝負どころで安易に妥協するなら仕事をする意味がない。

手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト