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笑いは人間性のバロメーターになるか?

正気回復へのメカニズムを考える(CSR解体新書25)

  • 伊東 乾

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2008年1月23日(水)

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 マルチメディアテクノロジーの分野では、長らく「感性情報の符号化」という問題が議論されてきました。言葉や数値にしにくい、人間の感覚的な認識を、どうやってシステム上で取り扱える形に整理できるか、という問いです。

 21世紀に入ってから、こうした積み重ねがマーケティングの世界にも応用され始めています。先週ご紹介した近赤外線吸収による脳機能可視化技術も、製品評価に応用可能なもので、その極端な例として性的快感の状況を取り上げました。

 マーケティングで従来行われている各種アンケート調査(「SD法 Semantic Differential Method 」などが有名です)では、基本的に回答者の主観的、あるいは恣意に基づくデータしか得られません。

 ところが脳機能測定などでは、被験者本人も意識していない「心の動き」を的確にデータ化できる。ここに顕著な利点があります。こうした客観性、再現性あるデータを基に「情報の環境問題」とそこでの社会的責任(Social Responsibility )について考えると、主観のフィルターを通過していない、通常的は考えつかない「常識の盲点」に行き当たることがある。

 そんな中で今回は、意識の死角、エアポケットに落ち込んだ時、どうやって「正気に戻る」か、そのダイナミクスを考えたいと思います。

「瞬間」から「連続する心の動き」へ

 前回は、話題が刺激的ですから予想をしていたものの、それを上回って多くのフィードバックをいただきました。改めて心からお礼を申し上げます。

 多くの方に正確に記事の意図を汲み取っていただけました。様々なご助言にも心から感謝しております。中には誤解もありましたが、それらからも「ああ、こういう誤解があり得るのか」と示唆と刺激を受けました。

 最も強く感じたのは、このネット連載(また「アサヒ芸能」の記事も同様ですが)、これらが「文章」と「静止画」のデータだけで記事を構成されているため、伝わりにくいことが多いのだな、ということでした。

 実は、測定で得られる時系列データの圧倒的に多くは、文字や静止画では再現できません。それをどのようにお伝えしてゆけばよいか、コメントからたくさんヒントをいただきましたので、それに添ってお話を進めたいと思います。

 ちなみに、この連載は長年続けている大学での各種講義を下敷きにしていますが、「できるだけ講義くさくなく」「時事的なトピックも引きながら」「NBオンラインの読者に共感を持っていただける<コラム>に」との編集部からの注文で書いています。

 科学的な論証手続きをお見せする紙幅が足りません。そういったことにご興味の方は、私の既刊や近々では以下でご紹介する公開イベント、あるいは学会・研究会や、前回本文でも触れたように邦文欧文でのペーパーなども継続的に出してゆきますので、どうかそれらもご参照いただければと思います。

 秋には専門書籍(勁草書房)も刊行しますし、またネットワーク安全性に関連しての展開は、科学誌とオムニバス連載の相談をしています。

 ただ、多くの紙媒体では、前回のデータも含め、脳機能可視化の測定結果を「写真」のように「瞬間・瞬間」の断続で見ることになります。

 これと、「映画」のように、連続した被験者の心の変化を見るのとでは、得られる知見が全く異なります。

 実際の測定では、リアルタイムで脳血流をモニターしており、公刊していない膨大なデータから、既に大方分っていることが、実はたくさんあるのです。

ココロのダイナミクスとその制御

 これを適切な形で、データとして示せるように整理、公開してゆきたいと考えており、ネット上で音声動画を配信できるこのNBオンライン連載でも、いずれ音声動画の形で、ヒトの「心の動き」可視化データの実物をお目にかけようと、これは連載開始以前から各種スタッフとも相談しています。

 先ほどちょっと申しましたが、現在、今月末に久しぶりに行う「脳機能可視化ライブ」の準備をしていますので、それにも触れておきましょう。

 1月30日水曜日、東京・紀伊國屋書店、新宿南店7階、紀伊國屋サザンシアターで精神科医の香山リカさんとのトークセッション「キレる<脳と心>を科学する」~脳の中を覗いてみよう~ というイベントを行います。

 このイベント、このコラムも、主として社会発信のために行っているもので、通常の測定やその結果などはもっと地味な場で検討しています。「高校生のための脳機能可視化ゼミナール」なんてこともやっており、そういう話題にもいつか触れられればと思っています。

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