「伊東 乾の「常識の源流探訪」」

本物のリーダーはいつも笑いを絶やさない

「いつも万全」ではない自分を知る(CSR解体新書26)

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2008年1月29日(火)

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 今仮に、スポーツや雪山登山のチームが目の前にいるとしましょう。これから試合や難しいトライアルが始まるところで、メンバーは全員、緊張の面持ちです。

 そんな時、真ん中に立っているリーダーがどんな表情をしていたら、頼もしそうに見え、またメンバーが実力のベストを発揮できるか、ちょっと考えてみたいと思います。 

 感情的になってギャンギャン怒る人は頼りなさげですね。ヘラヘラ笑っているのも心もとない。真剣な表情で、多くを語らずとも、確信を持って静かに微笑むリーダーは、余裕がありそうで、なんとなく頼もしそうに見える感じがします。

 これ、実は「指揮者業」という職業の鉄則の1つでもあります。

 「微笑み」の情動に際しては、ヒト脳の悟性をつかさどる部分に豊富な酸素が供給されるお話に、この連載で今まで2回触れました。実際、重要な判断を下すべき機会で、自分が持てる脳の知的資源を、最も効率的に利用するコンディションにしたいと思う時、この「ワンスマイル」がなかなか有効なのです。

 とりわけ、経営判断などで責任を問われる局面で、自分の脳をいかに駆動(drive)すれば、最も知的に明晰な思考が可能なのかは、なかなか切実な問題です。

 それも、自分1人にとってだけではなく、社会的広がりを持って、みんなにとって本当によい結果を得るために、どう自分を駆動、すなわちドライブしていけばよいか、今回はそういう問題を考えてみたいと思います。

人を駆動する「3つのS(Three “S”)」

 なんと驚いたことに、先々週の小コラムについて、NBオンライン、須田伸さんのコラム「Web2.0(笑)の広告学」で分析・検討していただいてしまいました。

 皆さんが押し寄せた「あの記事」を考える
 「sex sells」の黄金則はネットでも有効

 須田さん、ありがとうございます、というかびっくりしました。というより、前後しますが、初めまして。

 非常に的を射た分析をしていただいて、大変恐縮しています。

 実際、「常識の源流探訪」はコラムですから、読者に楽しんでいただけるように、私も当然、様々な設計をしています。

 私は地金が楽隊、人目を引く音楽ちんどん屋で、その観点でcom-pose(共に置き)、そしてcon-duct(共に引っ張る)聴衆の意識や気持ちをどう導いてゆくかの設計と実行が生業の人間であります。

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著者プロフィール

伊東 乾(いとう・けん)

伊東 乾

1965年生まれ。作曲家=指揮者。ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督。東京大学大学院物理学専攻修士課程、同総合文化研究科博士課程修了。松村禎三、レナード・バーンスタイン、ピエール・ブーレーズらに学ぶ。2000年より東京大学大学院情報学環助教授(作曲=指揮・情報詩学研究室)、2007年より同准教授。東京藝術大学、慶応義塾大学SFC研究所などでも後進の指導に当たる。基礎研究と演奏創作、教育を横断するプロジェクトを推進。『さよなら、サイレント・ネイビー』(集英社)で物理学科時代の同級生でありオウムのサリン散布実行犯となった豊田亨の入信や死刑求刑にいたる過程を克明に描き、第4回開高健ノンフィクション賞受賞。科学技術政策や教育、倫理の問題にも深い関心を寄せる。他の著書に『表象のディスクール』(東大出版会)『知識・構造化ミッション』(日経BP)『反骨のコツ』(朝日新聞出版)『日本にノーベル賞が来る理由』(朝日新聞出版)など。



このコラムについて

伊東 乾の「常識の源流探訪」

私たちが常識として受け入れていること。その常識はなぜ生まれたのか、生まれる必然があったのかを、ほとんどの人は考えたことがないに違いない。しかし、そのルーツには意外な真実が隠れていることが多い。著名な音楽家として、また東京大学の准教授として世界中に知己の多い伊東乾氏が、その人脈によって得られた価値ある情報を基に、常識の源流を解き明かす。

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