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決断を支える「見極め」の潔さ

~フレンチ・シェフ 岸田周三~

  • 茂木 健一郎

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2008年2月5日(火)

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 フレンチシェフの岸田周三さんの料理を最初に食べた時、すごく驚いたのは、僕の言葉で言えば「クオリア」、つまり口の中での感覚を、ものすごくピュアに突き詰めていることだった。何が違うかというと、いろいろ混ざっている状態から、いわば“純金”にしているという感じだ。

 岸田さんの一番優れた資質は、自分の置かれた状況をはっきり見極めて決断ができることだ。どういう理由で、自分が今こういう行動を取ろうとしているのかの見極めがちゃんとできている。今の自分に欠けているものは何かを考えた時、例えば素材のことが分かっていないならば肉屋で修行しようと判断した。

 フランスにいきなりアポなしで行って修行を始めた時のこと。師のパスカル・バルボさんがなかなかOKを出してくれず、魚のソテーをお客さんに出さないのか分からなかった。バルボさんが「料理人はロボットじゃない。魚というのは1匹ずつコンディションが違うから、1つひとつの魚を見ないと、それに適した料理は考えられない」と言った時に、岸田さんははっと悟る。そして素材を徹底的に理解するという方向へ行った。

 また、そのままフランスにとどまるか、日本へ帰るかの岐路に立った時も、「これ以上フランスにいると感覚がフランス人になってしまう」と判断した。ものすごく客観的に自分の状況が見えている。ある意味ではセルフプロデュース能力があると言ってもいい。どうしたらあの若さであの能力が持てるのか、本当に非凡だと思った。

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若き求道者、未踏の地へ
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NHK総合テレビ
2月5日(火)午後10:00~10:45
・再放送
 総合 毎週火曜 午前1:05~1:49
     (月曜深夜)
 総合 毎週火曜 4:05~4:49
 BS2  毎翌週水曜 午後5:15~5:59
 岸田周三シェフは33歳。昨年11月にはフランスの伝統あるレストランガイドの東京版で、最高の「三つ星」に輝いた。日本人のフレンチでの三つ星はもちろん初めて。店を開いて1年6か月での三つ星獲得は、フランスをはじめ、世界で例がない快挙。
 
 20代でフランスに渡り、「アポ無し」でフレンチの名店をたずねて修行を重ねる。現代フランス料理界のスター、パスカル・バルボのもとで働き開眼する。素材の味を生かすことを何より大事にし、火のいれかた、味のつけかたに徹底的にこだわる。素材の味を生かすためにフレンチの定番とも言える「ソース」は基本的に使わない。
 
 取材は2007年10月末にスタート。レストランガイドの責任者から電話で三つ星獲得を告げられる劇的な場面も撮影した。密着取材はもちろん初めて。


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