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「負け組」の拡大再生産を防げ!

脳機能測定から考える「騙しの経済学」(CSR解体新書28)

2008年2月13日(水)

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 バレンタインデーということで、ちょっと関連のお話から始めたいと思います。今年の風邪はタチが悪く、私も2日出ては1日休みなんて騙し騙しやっているので、いつまでも治らないのですが、そんな中でちょっと面白い発見をしました。

 先週の火曜日、「常識の源流探訪」を出稿できなかった日ですが、たまたま黒いTシャツを着てベッドで臥せっていました。食後に飲む薬のために無理して胃に食べ物を流し込み、熱が出ていますので水分を多めに取って休んだところ、夜中にたくさん寝汗をかきました。

 汗が冷えると風邪を引き添えます。そこで乾いた衣類に着替えて、また休みました。翌朝見てみると、黒いTシャツが汗で塩を吹いてるんですね。それがなんと、胸のところできれいに左右対称の「ハート型」になっているのです!(ここに掲載などしませんが、思わず写真を撮ってしまいました)。

 それで改めて自分の胸を触ってみて、喉を起点に左右の鎖骨の下を通って、左右の肋骨が合流しているところまで、確かにハート型に窪んでいることに気づいたわけです。

 興味を持たれた方は、どうかご自分でも触って確認してみてください。誰でもそうなっているはずです。こんなところにハートが埋め込まれていたのか…。病床で、それこそ「常識の源流」に行き当たって、びっくりしました。

 今までハート型というのは、漠然と「心臓の形」だと思っていました。ここで第一に想起したのは「聖骸布」です。十字架に掛けられたイエス・キリストの遺骸を包んだとされる布には様々な文様が浮き出たという伝説があります。

 古来様々な国で死者の埋葬に際して遺骸を布で包んだと思いますが、身体の凹凸や汗腺の分布などに起因して、意外に日常的な文様が生まれたのかもしれません。図像の身体論、なんて言うと、映画が流行った「ダ・ヴィンチ・コード」みたいですが、考えるだに興味深いではありませんか。

 ハート型は「心臓」という以上に「気持ち」や「ココロ」、そして「胸キュン」などというニュアンスで「ムネ」を象徴する。なんか微妙に一致していてなかなか面白いものです。

 世はバレンタイン商戦で、町のあちこちでこの形を目にしますが、こんなポピュラーなデザインにも、少し前とは違った親しみを感じた、というちょっと別種の「常識の源流」でした。

ナッシュの非協力型ゲーム理論

 さて、今回の本題は「ハート」ではなく「マインド」、ココロと経済のすれ違いというお話です。

 しばらく前になりますが「ビューティフル・マインド」(A Beautiful Mind, 2001)という映画が公開されました。米国の数学者ナッシュ(John Forbes Nash, Jr. 1928-) を主人公とする物語です。

 ナッシュは1994年度のノーベル経済学賞を受賞しましたが、対象業績を挙げたのは40年以上昔で、その後、長く精神を病んで、廃人同様の生活をしていたこともある人です。

 このナッシュ先生が、軍事研究の依頼によって、本業の数学というよりは、数理パズルの延長で創始したのが「非協力型ゲーム理論」と呼ばれるものです。

 このコラムでゲーム理論の解説はしませんが(本がたくさん出ていますので、ご参照ください)、例えば2人のプレーヤーがいるとして、相手がこういう手筋でくるとしたら、こちらはこう出て…、と互いに「最良手」を考えて戦略を検討する数理だと思ってください。

 一定のルールに従って敵味方双方が取る釣り合いは、創案者の名を取って「ナッシュ均衡」と呼ばれています。

ゲーム理論は終わったか?

 今日、経済学部で教えるカリキュラムとしてゲーム理論は既に古典となっています。これには2つの意味があると思います。1つは誰もが知る「教養」となっていること、もう1つは現実の経済対象を考察する道具としては力不足だと誰もが認識する「教養」と思われていることです。

 「既にゲーム理論の時代ではない!」「ゲーム理論は終わった」といった表記も「経済セミナー」などでちらほら見かけます。

 実際、世界的な経済学のトレンドは情報経済学、行動経済学(既にステグリッツやアカロフがノーベル経済学賞を受賞して、十分にメジャーと言えるでしょう)そしてこのコラムでも紹介するニューラルエコノミクスなどに移りつつあり、生真面目な解析的数理経済は流行りではありません。

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