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力士の責任はどこまで問えるか?

時津風部屋事件に見る「局所最適・全体崩壊」1
(CSR解体新書29)

2008年2月21日(木)

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 2月9日に両国国技館で開かれたNHK福祉大相撲で、時天空がマスコミのインタビューに答えてコメントしているのを見ました。前時津風親方の山本順一容疑者の逮捕以後、初めて公の場に姿を見せたものです。ここで時津風部屋・部屋頭の時天空が、ちょっと気になる発言をしていたのです。

 時天空は「(逮捕された)3力士がかわいそう」とコメントしているのです。

 「あれ?」と思いました。

 ところが、さらに不思議なほどに、どの報道機関もこの発言を問題にしていないのです。

 読者の皆さんは、どう思われますか?

 今週と来週はこのケースに即して「刑事責任の訴求限界」を脳機能から考えてみたいと思います

かわいそうなのは誰?

 「(逮捕された3人の弟弟子たちが)かわいそう」

 この時天空の発言は、文字通り考えれば、どう考えても変です。

 だって、かわいそうなのはどこから見ても、逮捕された3力士を含む兄弟子に暴行されて、17歳にして命を落とした序ノ口力士時太山こと斉藤俊(たかし)さん以外にはあり得ません。

 今日日、刑法の重罰化が進んでおり、被害者側の声がマスコミでもより多く報道されています。が、ここで時天空は「加害者側」をかばっています。普通の事件なら、こんな発言が関係者から飛び出したら、すぐに反響があるのではないでしょうか?

 「斉藤さんに暴行を振るった加害者たちが『かわいそう』だとは、いったいどういうことだ? この「部屋頭」は何を考えて、こんな不用意な発言をしているのか??!!」

 こんな批判がわき上がってきそうですが、なぜかそういう意見は(私がざっと調べた範囲ですが)聞かれないようです。

なぜか非難されない「加害者擁護」

 さらに時天空は「自分がなんとかしてあげることができれば」とも発言しています。

 この趣旨は「(あのとき)自分がなんとかしてあげることができ<ていた>ら」と決定的に違っている。これに注意しなくてはなりません。つまり今は逮捕されてしまったけれど、加害者たちを今後、なんとかしてやりたい、と、時天空は弟弟子たちをかばっているのです。

 「将来のある人たちが逮捕されて…」

 「将来」? とんでもない、あらゆる将来を奪い去られた斉藤さんのことを考えたら、逮捕など何でもないでしょう。相撲を廃業したって、生きてゆく道はいくらでもあるはずです。

 「斉藤さんのあらゆる可能性を奪った、極悪非道の兄弟子たち。それを事もあろうに時津風部屋の部屋頭が、公の場で擁護するとは何事か!」

 普通の事件であれば、こんな非難が必ず出てくると思います。

 ただ、上に書いているのは、本当に、兄弟子たちに刑事責任があるのであれば、という前提での話です。 今回逮捕された弟子たち(だけ)に責任があるわけでない、とすると、状況はまた変わってきます。政治家の秘書が捕まるケースのように、末端の人たちだけが逮捕された、というようなことであれば、部屋頭の「かわいそう」は、一定の納得がいく発言かもしれません。

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