札幌で会社を経営するようになる前、北海道の農業関係の企業で働いたことがある。その会社での社内勉強会には、社員しか参加できなかった。同じ会社で働いていても、アルバイトや派遣社員は別扱いだったことをよく覚えている。私はこのことがとてもおかしいことだと感じていた。
アルバイトや派遣社員は、正社員に負けない
私は自分の会社を設立した当時、店舗での販売員として数人の社員を雇用していた。
蜂蜜などを店舗や通信販売で販売する小売業である私の会社では、お客さんに商品を直接販売する販売担当者は、自分の販売力にとても自信を持っていた。つまり、自分たちの力で、会社の売り上げのすべてが成り立っていると思っていた。
反対に、アルバイトたちは、会社の“優秀な”販売スタッフに比べたら、自分の力はあまりないと思っていた。
でも、私にとって本当に優秀なのは、このアルバイトたちだった。
彼らは、街を歩いて当社の商品が売れそうな店を見つけたら、必ずお店に一言声を掛け、店の名刺をもらって帰り、「社長、この店に寄ってみたら」と言ってくれた。
私はそうして紹介してもらった店に行って商品を置いてくれるように頼んだ。実際にそうして取引が始まったところは多い。卸先の企業を紹介してくれたのは、営業や販売を仕事にしていなかったアルバイトたちだけだった。
「私は経理です」とか「私は事務です」などの言葉を会社のスタッフから聞きたくない。全員、自分は営業だと思わなければ、小売業の会社にいる意味はないと思う。
安定だけを求める正社員より専門に特化した派遣
派遣社員の優秀さに驚いたこともある。
数年前、大阪の展示会に出展した時、初めて派遣社員を使った。びっくりしたのは、その派遣社員が20分もかからないうちに全商品の名前や特徴を覚え、お客様に営業ができるようになったこと。その時働いていた社員よりもずっと早いスピードだった。
その時初めて、「会社には社員がいなくてもいい」と気づいた。
以前、私が雇った社員は仕事でチャンレジをしたいと言いながら、本当は安定を目指していた人たちだった。安定を目指すのは悪くないが、そのために自分を磨こうというやる気は、十分には見えなかった。成長をしない社員は企業の成長にプラスにならない。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。










