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第2回 「思い浮かぶのは苦戦するイメージ、だから練習メニューを変える」

  • 杉山 泰一

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2008年3月7日(金)

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 連載第1回の対談で語っていたように、早稲田大学ラグビー蹴球部の中竹竜二監督がピークパフォーマンスの平本相武代表によるメンタルセッションを受ける時は、途中で必ず「ゾーン」や「ステート」と呼ぶ意識状態に入る。

 ゴルフやテニスなど世界の超一流レベルのプロスポーツの試合のテレビ中継で、解説者が「このA選手は完全にゾーンに入ってますね」と説明することがある。あのゾーンだ。勝利に向けて集中力が極限まで高まることによって、雑念が消え、本人の競技能力が最大限に引き出され、五感も研ぎ澄まされる。その結果、例えばテニスでは対戦相手の動きがゆっくりとして見えたり、どんなショットも思い通りにうまく打てる、必ず勝てるという自信に満ち溢れた意識状態になる。

 平本代表自身は、ゾーンを「流れるように、すべてがうまくいく意識状態だ」と説明する。そして、ゾーンは、スポーツの世界だけではなく、ビジネスの世界でも威力を発揮するという。実際、中竹監督と平本代表が10月10日から十数回実施してきたゾーンメソッドを使うセッションの内容は、企業内の様々なチームのリーダーや経営者への示唆に富んでいる。

 今回からは4週連続で、2人のセッションでの具体的なやり取りを紹介していく。セッションの時間は1回が30~45分。計4回の連載の中で10回分のセッション内容を扱うが、いずれも1月12日に開催された全国大学選手権で「50対0」のスコアで優勝することを最終目的として、積み重ねてきたものである。

(杉山 泰一=日経情報ストラテジー

 「これから3カ月は毎週セッションをします。何を実現させるためにやりましょうか」――。初セッションは、平本代表のこの言葉から始まった。

 中竹監督の答えは「2008年1月の大学選手権決勝戦で50対0で勝つ」だった。監督は前回の同大会決勝戦での敗戦後、早稲田らしいラグビーとは何かを突き詰め、それは特定のプレースタイルではなく、「必ず勝つことだ」という考えに行き着いていた。しかしラグビーの試合は天候、選手のケガ、勝負運など不確定要素が多い。必ず勝つためには、決勝戦に50対0で勝つ準備ができた状態で臨むチーム作りが必須だと考えて、春先に選手たちにもそう宣言していた。

図版

前年の雪辱を果たし、昨年12月~今年1月の全国大学選手権で優勝を果たした、中竹竜二監督
(写真:山西英二、以下すべて)

 この後は、平本代表の特徴的な問いかけが続いた。中竹監督にもっと具体的な優勝のイメージを想像してもらったのだ。「50対0で優勝を実感した瞬間はいつですか」「その瞬間、何をしていますか」「その時、何が見えますか」「何が聞こえますか」「選手は、観客は、どんな様子ですか」「身体はどんな感覚になっていますか」「天気は、気温は、どうですか」──。

 あたかも優勝した瞬間を今自分が味わっているかのように、様々な問いかけによって五感をフルに働かせるように促した。目的を達成する喜びを仮想体験してもらい、「自分は必ずその目的を達成できる」と強く心に抱いてもらうためだ。早大ラグビー部は大学日本一になった時だけ歌う「荒ぶる」という部歌を持つ。歓喜の表情で「荒ぶる」を選手と一緒に歌っている自分、それこそが中竹監督の3カ月にわたるセッションの最終目標だと確認された。

中竹監督の「ゾーン」と「スイッチ」を作る

 目標が明確になったので、次は中竹監督にとっての「ゾーン」作りだ。中竹監督に必要なゾーンは、「50対0で優勝するチームを決勝戦に合わせて完成させるため、練習メニューや試合の作戦をしっかり練ることができる意識状態」のことである。それまでの練習メニューは、一定期間ごとに中身を変えるが、毎日変更するわけではなかった。長期戦略に基づいて練習計画を立て、それを愚直に実行する形を取ってきたのだ。

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