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パイオニアであることは、強い風に向かって立つようなもの

~循環器内科医 延吉正清~

  • 茂木 健一郎

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2008年3月11日(火)

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 今回お話をうかがったのは、急性心筋梗塞の治療法である心臓カテーテル治療の第一人者・延吉正清さん。この治療法を日本で普及させる原動力の役割をはたした、まさにパイオニアだ。

 治療の基本は「手」だ。普通の診察でも患者さんの手を直接触れて体温を感じたり、鼓動を感じたりする。延吉さんはワイヤーやカテーテルを通して基本的にはそれと同じようなことをやっているのだと感じた。手で触れて治す。その本質と同じことをやっている。

 延吉さんに「パイオニアに必要なものは何か」と聞いたとき、「この方法が将来にわたって必ずうまくいく、広まっていくと論理的に考え抜くこと」という答えが返ってきた。

 「勇気」や「思い切り」といったものよりも、カテーテルを使った造影法および治療法が絶対に理に適っている、今後絶対にそういう方向に行くはずだという確信のようなものがあった。その確信は経験と論理と知識に裏付けられていて、その確信に沿ってご自身が努力された。

 世の中にイノベーションと呼ばれるものはたくさんある。しかし改革への勇気といったことばかり強調されて、改革、あるいは技術革新が本当に世の中に必要とされているかどうかについての冷静な議論が少ないと思う。

 ちゃんと論理を通した思考を貫くことが大事で、そのためにはものすごく勉強しなくてはいけない。延吉さんが新しい治療法に取り組むにあたって、心臓疾病関連のことを猛勉強したというのは本当に良い話だった。そうでないと本当の改革はできないのだろう。あと、パイオニアとして新しい領域を広げるときに、非常に慎重に広げるのだという姿勢も良かった。理屈が通っている。

 医学の中では、新しい手術法などいろいろと試みられても意外に定着しないものが少なくない。それはよく考えてみれば、“筋が悪い”というか、どこか理に適っていないのだと延吉さんはおっしゃっていた。

 パイオニアであることは、強い風に向かって立つようなものだ。必ず反対する人がいる。延吉さんは、「反対する人がいるほうがよい。それに向かって立つことによって自分自身が強くなる」という。風に向かって立つことが自分を強くする。向かい風が吹いてきたらそれはチャンスだと思わなくてはいけない。

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患者の命は一分の一
NHKの番組サイトへ
NHK総合テレビ
3月11日(火)午後10:00~10:45
・再放送
 総合 毎週火曜 午前1:05~1:49
     (月曜深夜)
 総合 毎週火曜 4:05~4:49
 BS2  毎翌週水曜 午後5:15~5:59
 番組に登場するのは、誰もが認める、その道のプロ。斬新な試みに挑戦し、新しい時代を切り開こうと格闘中の挑戦者であり、数々の修羅場をくぐり、自分の仕事と生き方に確固とした「流儀」を持っている仕事人たち。普段はカメラの入れない仕事の現場に密着した取材ドキュメントVTRと、本人をスタジオに招いての徹底インタビューで、現在進行形で時代と格闘しているプロの「仕事」に迫る。
 
 日本人の3大死因のひとつ、心臓病。その治療の現場で「神様」と呼ばれる医師がいる。延吉正清(のぶよしまさきよ)67歳。心筋梗塞や狭心症などの心臓カテーテル治療の日本の第一人者だ。カテーテルと呼ばれる特殊な細い管を、血管の中に挿入し、動脈硬化によって詰まった血管を広げ、血行をよみがえらせる心臓カテーテル治療、延吉はその日本での第一人者だ。
 
 口癖は「患者の命は一分の一」。延吉は今も、研究を怠らない。一例一例を徹底的に分析し尽くし必ず次につなげる信念が、延吉の治療を支える。


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