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法律家の常識が通用しなくなる日

刑訴法という“OS”が裁判員制度で変わる
(CSR解体新書32)

2008年3月10日(月)

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 既にご存じの方が多いと思いますが、3月6日、日本相撲協会は大阪市浪速区の大阪府立体育会館で臨時理事会を開き、時津風部屋の力士急死事件で先月29日に傷害致死罪で起訴された兄弟子の3力士について、裁判で有罪が確定すれば解雇するが、それまでは出場停止とすることを決めました。

 理事会では北の湖理事長(元横綱)が事の重大さを再認識して3力士の解雇を主張したようですが、他の理事が「師弟関係にあり、昨年10月に解雇された元時津風親方の山本順一被告(58)と同じ処分」を下すことに異議を唱えて、処分が先送りされた格好になったようです。

 「裁判で有罪が確定すれば解雇」ということは、1審判決を不服として力士たちが上告すれば、数年間にわたって相撲協会は起訴された力士たちを出場停止扱いとし続けるということになるでしょう。この間日本相撲協会は、被告たちを協会の一員として、共に責任を問われながら、被告席側から法廷に立つことになります。

 私のささやかなコラムを関係者が目にされたかは定かでありませんが、NBオンラインは1日に100万前後のアクセスがあり、このサイトも毎週数十万のアクセスを頂いているということで、ご遺族の思いと、日本にとってプラスになる方向に沿わせていただければと考えました。

 今回の記事は2~3週の分載で準備していたわけですが、図らずもオンエアの最中に起訴と相撲協会決定が挟まる形になりました。微妙な時期の記事掲載を決断してくださったNBオンライン編集部、川嶋諭編集長のご英断に、改めて心から感謝したいと思います。

相撲協会正常化のカギは法律ではなく「SR」

 今回の事件が発覚したのは、被害者のご遺族の思いと賢明な行動があってのことですが、問題の本質的な解明や、相撲協会の体質改善、再発防止の定着には時間がかかります。

 裁判には一定以上の長い時間が必要ですが、角界の本質的改善は、単に判決を受け身で待つというだけではなく、その間の長い時間、社会が法律と別の形で、相撲協会の挙動に注目し続けてゆくことが必要だと思います。

 その間、協会は力士や部屋に給料等を支払い続けるのか? というご指摘もありましたが、私選弁護人の費用などを考えるだけでも、起訴3力士のご家族の負担はただ事ではないはずです。とても幕下や序二段の力士の給金だけで足りるとは思えませんし、お金だけで済む問題でもありません。

 協会が、相撲界の内部で起きた刑事事件を、被告側の立場から考える期間を持つという意味でも、今回の「罪が確定するまでは出場停止」という判断は「普通」の判断で、これが角界正常化につながるものになってほしいと思います。くれぐれも「協会は処分しないが無言の圧力で自主廃業を強要」といったことがないように、社会的責任=SRの目を光らせておくのが大切ではないでしょうか。

 SRの目、それは「社会の圧力」ではありません。むろん「ヒステリックな糾弾」などになってもいけない。そこで問われるのは、あえて言うなら「民度」の高さ、それが簡単に「衆愚」に流れるのは、ギリシャ=ローマの昔から、歴史が多くを教える通りです。

 この「市民社会の見識」こそ、このコラムの現在のテーマSR=社会的責任そのものにほかなりません。

今専門知識を持たない人の「見識」が問われる

 マスコミの報道やイメージで日本人が大きく振れやすいのは、首長選挙などでタレント候補が圧勝するのを見ても、私たちの社会の一面を示していると思います。選ばれたタレント候補が行政の長として、よい仕事をし続けてゆくか、それをチェックし続けるのもまたSRの目。不慣れな知事さんの一挙手一投足をあげつらうのも考えものですが、当選すれば公約無視、といった事態は避けるべきでしょう。

 「社会の木鐸」という古い言葉がありますが、報道機関がそういう役割を果たすには、マスコミもさりながら、情報の受け手である私たち市民の姿勢も、大きく問われることになります。「マルチ商法詐欺」「ネットいじめ」「大相撲」今まで取り上げてきた、一見無関係に思われるかもしれないトピックは、トピックそのものというより、それに対する市民の向き合い方を考える「(C)SR」の観点で、一貫した背景を持っています。この連載を通じて、とりわけ読者の皆さんからのリアクションから、市民の「見識」への希望を与えていただいています。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官