リーダー育成や新事業創出など、独自の施策を導入している積水化学工業(
)──。(前回のインタビューはこちら)。
ただ、建築着工件数の減少など、建設業界は逆風にも直面している。「企業経営を根本から見直さなければならない」。そう危機感を露わにする大久保尚武社長。ビジネスモデルの再構築に向けてアクセルを踏む。
――昨年6月の建築基準法改正は、建築確認の遅れなど業界に様々な影響を与えました。
大久保 私どもが扱う工業化住宅は、一つひとつ建築確認を取る必要がないので、そう影響を受けていません。建築基準法の改正は、要はマンションや大型の店舗。そういったものが大きな影響を受けた。もちろん、そこに住宅部材を提供しているところは大苦戦ですよ。
経営の根本的な変革を進める大久保社長
(写真:菅野勝男、以下すべて)
うちで言えば、上下水道用のパイプ。これは、土地の造成だけでなく、ビルやマンションなどで無数に使う。これは、積水化学の中核事業です。それから戸建て住宅や工場の雨どい。この辺りが一番、影響を受けている。
建築基準法改正による需要減の影響が直接、当社に出始めたのはお盆明け。お盆明けからぴたっと荷動きが止まった。僕も長年、この業界にいるけど、あれだけ突然、需要が止まったのは初めてでした。国土交通省が言うように、建築確認を巡る混乱は終息してきた。ただ、2007年の初めから首都圏のマンション市場が少しきな臭くなっていました。そこに建築基準法の問題が被さった。その影響が今、出ている。
金利ではなく株価にリンクし始めた住宅需要
日本は今後、人口が減ってくるわけでしょう。公共投資も芳しくない。姉歯事件という1つのモラル問題が起きて、建築確認の厳正化という政策になったのは分かります。しかし、ただでさえ、芳しくないところにどーんときてしまった。需要の減少が長引くのではないか、と僕は心配しています。
人口の問題はありますが、これまで住宅需要に最も効果があったのは金利政策でした。ところが、我々のユニット型住宅の動きを見ていると、一番リンクしているのは株価なんですよ。
――金利ではなく株価ですか。それは、いつ頃からでしょうか。
大久保 2年ほど前からです。これは、推測も入っていますが、株を売却して、新築住宅を建てる時の頭金にしている消費者が増えているのではないか。現在、家を建てているのは、数から言えば団塊ジュニア。この人たちを見ていると、親からの生前贈与が資金の一部になっていることが多い。
展示場に見学に来るでしょう。その時に、おじいちゃんやおばあちゃんが一緒について来る。生前贈与が資金計画に組み込まれている。それが、今の新築住宅の現状だと思いますよ。それだけ、株式が大衆のものになり始めたということです。
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