リーダーにとって必要な資質や姿勢はどんなものでしょうか?
リーダーは揺るぎないビジョンと確固たる自信が必要だと僕は思います。特に新しい事業に取り組む時に、リーダーは不動点にならなければならない。脳は「確かなもの」と「不確かなもの」のバランスを取るという性質があります。この脳の確実性と不確実性のポートフォリオという意味からみて、リーダーが不動点にならないと、絶対に下はついてこない。リーダーがふらふらしていると部下は「不確かなもの」、新しいもの取り組めないからです。だからリーダーは内面が揺らいだとしても、それを外には見せてはいけない。
ストレスに向き合う時、「良いストレス」と「悪いストレス」があるのでしょうか?
自分が努力すれば良い結果になる可能性のある緊張する状況は「良いストレス」だと思います。その状況に向き合うことで自分が成長できる「伸びしろ」があるかどうかです。逆に、自分がどう努力しても悪い結果にしかならないという状況は「悪いストレス」です。この状況を避けるのは僕は決して“逃げ”ではないと思う。
むしろ、どうしようもない状況からさっさと撤退するというのは、重要な決断の1つです。努力すれば伸びしろがあるのかどうか、見極めること。状況を判断して撤退することは大事なストラテジーで、常に立ち向かうことが必ずしも脳にとって良いことではありません。
それでは「報われない状況」において努力を続けることは無駄なことなのでしょうか?
無駄ではないのですが、脳の「強化学習」の回路が回りにくい状況です。だから、その時にはそれなりの判断をしなければならないでしょう。好むと好まざるとにかかわらず、脳は成功体験によってしか強化学習の回路が回らないという意味からから言うと、いつまでたっても報いが得られないことからは撤退するというのが選択肢だと思うのです。
ただ、ドーパミンには「予想することによって出る」という要素もあります。だから、「希望を失わない」ことによって、長い間報われない努力でも脳の中ではモチベーションが維持されるということがあります。
僕がクオリアをやっているのがまさにそうなんですが、いつかクオリアの問題を解くと思い続けているから、努力が維持されている。だから、厳しい状況でもそれがもし大事な本筋のことで、自分の人生においてそこから逃げるという選択肢が無いのだとしたら、いつかは報われるという希望を持ち続けることが大切です。「楽しき予測をもって自分を支える」ということは十分あるし、ドーパミンの放出のそういうメカニズムはありますから。
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