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「効果線」から考える文字以外の感情誘導(CSR解体新書40)

2008年5月7日(水)

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 「効果線」という言葉をご存じでしょうか? あるいは「背景効果」とも呼ばれる、マンガの画面に引かれているラインのことです。

 効果線は大きく「集中線」(放射線)と「流線」(平行線)の2つに分けられ、「集中線」は対象を強調したいような場合に、「流線」はスピード感などを出したい時に使われます。リンクフリーの優れた解説ページがありましたのでご紹介しておきましょう。

 いま手元に手塚治虫の「ブラックジャック」というマンガがあります。手塚の効果線の利用は天才的で、気を失っている人が、朦朧とした意識から、ハッキリ回復するまで、といった登場人物の心理状態を、ことばを一切使うことなく、画面の人物外の余白に記した線だけで、見事に表現しています。

 ここで重要なことは「こういう線を書いたら、こういう心理ですからね!」という約束事が存在していない、ということです。約束事が文字で明記されていないから、これが何を示している、とは(例えば法廷では)明言できない。でも、読者は確実に、描き手の意図を理解することができる。不思議な暗号のような力を「効果線」は持っています。

 私は最近のアニメなどには全く疎いのですが、手塚マンガや、昔のアメリカンコミックスなどは、幼時の刷り込みなのでしょう、かなり好きな部類に入ると思います。

効果は文字を超える

 マンガ、コミックスには様々な心理表現があります。例えば背景に描き込まれる絵や模様は典型的でしょう。かつての少女マンガには、主人公の背景に何の必然性なくバラやユリの花が咲き乱れていました。その末裔は今のレディースコミックスにも見ることができます。スクリーントーンと呼ばれる、印刷向けにドットや模様を配したシールも、影のように単純なものから、かなり複雑なものまで、多用されて、文字を使うことなく、心理的な効果を上げています。

 さらに、文字自身も模様的な効果を持つことがあります。効果線などと並行に「バシーン」「ドカーン」といった文字がデザインされて描かれている。こういった文字は音だけではなく光すら表現できます。原爆やピカチュウの爆発に重ねて「ピカー」と書かれたり、パトカーのサイレンに重ねて「ファン ファン」と書いてあったりする。さらに心理状態も表すことができます。左遷の辞令をもらった主人公の横に「ガーン!」と書いてあれば、それが当人の心理を意味するもので、隣の寺の鐘が鳴ったわけではないのは明白でしょう。

 こうした擬音風のデザイン文字も、辞書的な定義とは別に様々な情景や心理を表現することができます。

コメント18件コメント/レビュー

そういえば、以前傍聴人が被害者遺族の遺影を持ち込みを裁判所が止めたことを非難する報道がありましたね。(2008/05/11)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

そういえば、以前傍聴人が被害者遺族の遺影を持ち込みを裁判所が止めたことを非難する報道がありましたね。(2008/05/11)

<プレゼンでマインドコントロール>することも可能ではあると思いますが、それを理由に規制を加え「無味乾燥」なプレゼンにすることは納得できません。「プレゼン」は、判り難い概念を判り易く説明することが要件でしょう? そこにはプレゼンティター(検事や弁護士)の個性が反映されるし主観も入る。だからこそ語られる内容が活き活きとし、説得力を持つ・・・と、思います。受け手(判事や裁判員)はその要旨を理解して判断材料とするのが筋でしょう?誤った理解が誤判決を招く虞はあるでしょうが、プロ(判事)を交えた議論の中で修正されるべきものでしょう。 <人間から感情的な部分を切り取ることは不可能>で、一般市民の感性を取り入れることこそが裁判員制度を導入する意義ではないでしょうか?  模擬裁判で量刑がばらついた事があり、それがあたかも大問題のように取り扱った時期がありました。当然のことを何故問題視するのだろうと不思議に思ったものです。由るべき確固たる基盤(自然科学で云う「公理」に当たるもの)が無い人文科学分野でのこと、同一事象に対する見解が異なるのは当然です。バラツキを小さくしたいのならば、一裁判当たりの裁判員を増やし、量刑の平均値を取るのが良いでしょう・・・100人とか200人とか・・・と云うよりも、量刑がバラツキいても不服ならば控訴をすれば良いだけのことです。このようなバラツキが発生することも裁判員制度を導入する意義だと思うのですが・・・本論に関係ないかもしれませんが・・・如何でしょう?  A.S(2008/05/08)

言いたいことはわかりますが、プレゼンとは本来そういう性質のものです。自分の(自分たちの)意見を効率良く相手に伝えるためのテクニックは資料の作り方だけでなく、話し方、身振り手振り、視線、等々様様です。資料はプレゼンの一部であり、これら様様なテクニックは既に現在の裁判制度で検察官や弁護士が裁判官に対して駆使しているわけですから、そう大きな問題にはならないと思います。確かに、裁判員は素人で影響されやすい人も中には居るでしょう。しかし、検察側のプレゼンに影響されやすい人は、同様に弁護士側のプレゼンにも影響されやすいと思われます。どちらかのプレゼンが極端に優れていた場合はプレゼンに引きずられてしまう人も居るでしょうがそれはそれ、仕方が無いのではないでしょうか?完全に公正な裁判なんて神にしかできませんよ!我々は不完全な人間です。当事者にとってはひとつっきりの裁判ですから仕方が無いでは済まされないですが、統計的に見れば正しい判決がおりる確率はそれなりのものになるのではないでしょうか?(2008/05/08)

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