「2年目女子ですが、いいですか?」

「私、ここで結婚できますか?」と聞く女子大生、どう思います?

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2008年5月8日(木)

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 ちょっと気張った、高めのランチを出すレストラン。対面には、会社訪問にやってきた21歳女子大生が座っています。

 何を話してあげたらいいのか、何を聞かれるのか。ちょっとどきどきした気分で、お手ふきの封を開けたところで、女子大生が口を開きました。

「あの、転勤ってあるんですか? 私、家族とか友達も大切にしたくて」。

さて、この一言に何を感じるでしょう。

「今流行のワークライフバランスってやつか。最近の学生はしっかりしているな」でしょうか。それとも「OB訪問でいきなり私生活の話? 仕事をなめんな」でしょうか。

社会人と学生の境界線から

 今年、私は入社2年目になりました。2年前は髪を黒く染め直した就職活動生。今でも、正直、学生と社会人の間をゆらゆらと揺れ動いています。

 私が就職活動をしていたときは、「仕事だけの人間なんてかっこ悪い。そんな人生かわいそう」と思っていましたし、ワークライフバランスを考えて、企業を選びました(それを考えたのになぜ記者になったのか、自分でも実に不思議ですが)。

 分かったのは、社会人生活は私が想像していた世界とは全然違っていたということ。その理解が、おそらくですが社会人になって年数を経るごとに薄くなっていく、のではないでしょうか。

 だって、「学生と社会人の境界線上」に立って見ると、「働くこと」をめぐる両者の見解の相違は、とても「単純なズレ」にしか思えないのです。それなのに、ほとんどの学生と社会人は境界線を跨げないでいて、お互いを分かることができない。

 例えば、「ワークライフバランス」や「ダイバーシティ」。最近、雑誌やネットでよく見るようになりました。それを受けて学生たちも、「そうか、仕事と生活の両立を考えるのは当たり前なんだ」と理解して、就職活動に励みます。

 でも、当たり前ですが学生たちは働いたことがありません。彼らが真剣にワークライフバランスを考えても、現実とずれたイメージを抱いてしまう。そして、そんな学生たちの考えを、働く環境に適応しきった社会人は理解できません。そして「最近の若者は〜」と嘆くようになる。

 私が境界線の上にに立っていられる間に、仕事や友達との付き合いを通して見えた、そんなズレをちょっとご紹介したいと思います。未熟者ですので経験不足はもちろん、知恵も理解もまだまだですし、どうしても「女性」の目線からになってしまうかと思いますが、どうぞよろしくお付き合いくださいますよう、お願い申し上げます。いろいろなご意見、知見をコメントやトラックバックで勉強させて頂ければ幸いです。

 衣替えの季節、OG訪問を受けた友人が、鼻息も荒く話しかけてきました。

「今さ〜OG訪問受けたんだけど、ちょっとイラっとしちゃって。『結婚している人は何人いますか?とか、残業で家庭を大事にできないなんてことはありませんか』って聞いてくるのよ。仕事の話を聞きに来たんじゃないのか!って思っちゃったわ」

 OBOG訪問で冒頭のような質問をされた、という経験談をよく聞きます。そんな学生に対して、ほとんどの社会人は「最近の学生は自分の人生を賭けて働く気がない。仕事をなめている」と思ってしまうようです。

 実は私も似た経験があります。1月15日に開催された女子学生向けの合同会社説明会(リクルート主催)に足を運んだときのことです。

 休憩室で自分がとったメモを食い入るように読み返している学生をつかまえて、質問してみました。「ねえ、女子学生だけの企業説明会って、男子がいるときと何が違うの?」

 彼女は「男子学生がいると、仕事を家庭と両立できるかなんてなかなか質問できないですよ。だからOG訪問や、こういう女性限定の機会に質問しています」と即答。なるほど。
 そもそも、彼女は「仕事と家庭との両立」について聞くために、この会場まで足を運んだとのこと。そんな彼女にあえてこんな質問をしてみました。

「仕事は子供を産んでも続けるつもり?」

「はい、仕事したいです。だからこそ、子供を産んでも働ける環境なのか気になっているんですけど」。当たり前のことを聞くんだなあという顔で答えが返ってきました。

「仕事続けたいって言ったら、家庭を大事にしないと思われる?」

 そういえば、会場で耳をダンボにしていると、聞こえてくるのは…

「育児休暇制度の取得率はどのくらいですか」
「会社に託児所はありますか」
「週に何回家族とご飯を食べられるのでしょうか」

…という声のほうが「仕事の内容」を聞く声よりもずっと多いように思えます(もちろん、私の主観ですが)。そして、それを聞いている彼女たちの目は真剣で、メモを取る指は止まる気配がありません。

 彼女たちは、仕事を続けたいが故に、家庭との両立を質問するのです。が、いま社会人として働いている側の目にはその質問が「仕事をする意欲がないのでは」と受け止められてしまうのです。

 最初にお話しした、鼻息荒く怒っていた友人だって、2年前は同じような質問をしていたはずなのです。そして私も思い返せば…

 2005年の年末、私は一通り企業の説明会を見終わり、志望企業を選んでいました。その企業で働く自分を1社1社想像しながら、「この会社でやっていけるのか」を判断しようとしていました。その頃、私はよく友人とこんな悩み相談をしていました。

「ねえ、この会社に入ったら出会いってあると思う?」
「結婚した女子社員のうち、半分が学生時代に付き合っていた人と結婚するみたいだよ。やっぱり理解してくれているから。働きだした後に知り合ってもさ、彼らには『働いていて、家庭大事にしてくれない女』とかって思われるんだろうね〜」
「え……まじで、やばくない?」

 当時の私の会話も、今、社会人の視点に立てば、「浮ついた話をしているな」と思えてしまいます。ですが、当時の私たちは“浮ついた話”でも何でもなく、自分の人生がかかった重要な話をしていたつもりでした。

 学生と社会人のズレはなぜ起きるのでしょうか。働き始めると、そんなに価値観は変わるものなのでしょうか?

 こんなアンケート結果があります。日経ビジネス3月10日号「だから女は働かない」の取材班が、昨年末、21〜22歳までの女子学生と、25〜34歳の女性社員を対象に実施したものです。

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このコラムについて

2年目女子ですが、いいですか?

 社会人と、学生の間に、あるいは女子社員と男性管理職の間に、単純な言葉の意味の取り違えから発生するギャップが、「働きたい」気持ちを邪魔している。「学生気分が抜けきらない社会人」である2年目女子には、そのズレが目について目について「それはきっとこういうことですよ」と、ひと言言いたくてたまらないらしい。社会人と学生、両者の境界線上からストレートに、精緻な分析よりも、あえていまそこにいる筆者の目線を最優先してお送りします。学生の方、社会人の方、ぜひご意見を(なお、タイトル画像の女性はコラム筆者とは関係ございません)【担当デスク:Y】

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