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メディアで憎悪を増幅してはいけない!

ルワンダ大虐殺:本当に起きたことは何なのか(CSR解体新書43)

2008年5月27日(火)

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 この連載では「情報の環境問題」をキーワードにCSR(企業の社会的責任)の問題を考えているわけですが、情報環境問題が破壊的な影響を及ぼした例として、ファシズムのメディア統制やとりわけ大虐殺、つまり「ジェノサイド」を挙げることができます。

 20世紀に入って、人類は少なく見積もっても4回、100万人規模の人間集団を地上から根絶やしにする「ジェノサイド」を引き起こしました。第1はオスマン帝国によるアルメニア人大虐殺(1915~16)、第2はナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺とスターリン時代のソ連による大虐殺(1941~45~…)、第3はクメール・ルージュによるカンボジアでの大虐殺政策(1975~79)、そして第4はルワンダ大虐殺(1959~94)です。

 ナチスやスターリニズムは既に過去の歴史となって久しいですが、ルワンダのケースはごく最近起こったことです。実はいまだ裁判も終わっておらず、大虐殺については当事者から話を聞くことができます。幸いルワンダ共和国政府から招聘をいただき、3年ほど準備して、キガリ出張が実現しましたので、これから数回ルワンダからリポートをお届けしたいと思います。

ジェノサイドは「非常時」に起きる

 先に挙げた「大虐殺」は例外なく「戦時」つまり「非常時」とされるときに起こっています。

 賑わう首都キガリ市内(2008年5月22日)。紛争終結から14年。復興が進み、新たな大規模建築物も数多く建てられ始めている


 人は「今は生きるか死ぬか、というところなんだから、ほかのことなんか構っていられない、殺すか殺されるかなんだから、手段など選んでいられない」と短絡するとき、後から振り返ると信じ難いことを、淡々と実行してしまう。

 上記のジェノサイドはすべて「非常時だからやむを得ない」といった理由のない理由で、平時から存在していた社会対立に「最終的解決」をもたらそうと人為的に導入された大量殺人であることが共通しています。

 このうち、ナチス・ドイツ+ソ連、ならびにルワンダのケースに顕著なのは、それがマスメディアによって増幅されたことです。第1次大戦中のトルコや1970年代のカンボジアに関しては正確なところがわからないのですが、少なくともナチスのホロコーストとスターリニズム、そしてルワンダに関しては、ラジオなどの公共放送から新聞雑誌など、ありとあらゆるメディアを通じて、「最終解決」の政策が国の方針として周知されました。

 またそこでは音楽放送を含む様々なメディア・マインドコントロールの手法が使われたわけです。

 日本車も数多く見かける。ただしほとんどが中古車で、闇ルートから解体された車(盗難車?)などが輸入されることもあるらしい。ちなみにルワンダ国内では日本円を両替することはできなかった。理由は「誰も見たことがないので本物かどうか分からないし、ここでは誰も使えないから、両替などできない」(銀行の窓口担当者)

 私はかれこれ25年ほど、こうした音楽や放送と感情のコントロールの問題と向き合っています。やっている事は、基礎的な生理測定から作品の作曲や演奏までいろいろですが、中心となる問題意識は実は1つで、これを追う中で「オウム真理教」のメディア・マインドコントロールから「オレオレ詐欺」まで、様々な事例と出合いました。

 中でも「ルワンダ大虐殺」に関しては、私がこの問題を追っている最中の1994年に発生したものでした。マスメディアの果たした役割や責任が極めて重い。

 そこで今回は、まず基本的なところから、ルワンダの問題を整理しておきたいと思います。日本語の活字になるのは初めての内容も含まれていますが、直接のヒアリングに基づくものです。

コメント17件コメント/レビュー

知れば知るほど知らないことが増えてくるという矛盾。それに立ち向かう勇気と知的好奇心に敬意を表します。ルワンダと日本の類似性考察は多少過激で違和感がありますが、社会的弱者の合法的な搾取、あるいは社会的強者の”合法的な”世襲的性格などにより日本は確実に格差から差別社会へ向かっていくような気がします。理性的判断を止める臨界点が低くならないように自らを律するための情報をこのようなコラムで仕入れることはとても大切だと思いますし、”マスコミ”の煽動も控えてもらえたらなぁ、とも思いました。(2008/05/28)

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いただいたコメント

知れば知るほど知らないことが増えてくるという矛盾。それに立ち向かう勇気と知的好奇心に敬意を表します。ルワンダと日本の類似性考察は多少過激で違和感がありますが、社会的弱者の合法的な搾取、あるいは社会的強者の”合法的な”世襲的性格などにより日本は確実に格差から差別社会へ向かっていくような気がします。理性的判断を止める臨界点が低くならないように自らを律するための情報をこのようなコラムで仕入れることはとても大切だと思いますし、”マスコミ”の煽動も控えてもらえたらなぁ、とも思いました。(2008/05/28)

民族対立という言葉から日本人が想像するのとは別質の問題、という指摘。これは広く知らされるべき重要ポイントだと思う。また、過去や現在の各国との類似性も広く認識されるべきだ。支配の方便として導入・維持された恣意的な階級制度と差別が、破壊的な負のエネルギを生んでしまう。その矛先が社会的な弱者に向けられる。『カムイ伝』みたいな状況。人類には、そういうパターンがある。ヒトには虐殺ですら「正しい」と信じてやってしまう「能力」が備わっている。前触れも無く突然に起きるわけではないが、何らかの条件が揃ってしまった時に、いつどこの国でも、組織的な大虐殺が起きる可能性が大いにある。一度大きな流れが出来てしまうと、もはや個人の力では止められない。だからこそ、これらの条件を事前に見出して先に防ぐ手を打つことが肝心であり、長い目で見た治安維持に必要なことになる。たとえば今回の司法制度の根本的な改定にあって、これらの視点を欠いたまま議論されている(議論すらされていない?)。防ぐどころか促進しているかの如きである。学者・有識者やメディアは「ちょっと待て」と大声をあげよ、というのが筆者の趣旨だと思う。私も基本的に賛成だ。(2008/05/28)

中国の文化大革命による大虐殺とチベットに現在行っている民族浄化の例が全く書かれていないことが、残念ながら記事の重みを著しく欠いているような気がしてなりません。(2008/05/28)

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