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男女でしてはいけない会話

2008年6月13日(金)

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 もうどれくらいになるだろうか。私は男性との会食では男女平等云々は話さないようにしてきた。女性学を学ぶ前は自分の1つの興味として話題に載せることもあったが、その結末の苦い経験からすっかり封印している。そして、せっせとビールを注ぎ、男女話以外の話題で無事会食を終えるのだ。そうやって、苦い会食はすっかり過去のこととなり痛みも忘れた頃だった。

 「遙さんの意見は僕の周りの男性たちはまったく理解できないって言うんですよ。唯一共鳴したのは僕の妻だけでした」

 ある番組での私の発言に対しての男性テレビ局員の感想だった。食事しながらの会話でもあり、そのことで話が広がった。

 「そうでしょうね。だいたい私の意見では、怒りだす男性が多いですね」
 「なんでですか」

 「まず、女が意見をストレートに言うということだけで反発を覚える人は少なくない。そしてそれがその人たちにとって対立する意見なら、けしからん、許せん、となる」
 「保守的なんですね」

 「だから、番組は別として、なんらかの主張をするときにはその毒は隠して、一見まったく違うメッセージのように粉飾しなければ許容されないことも多いね。例えば・・・」

 私はつい雄弁に語ってしまった。
 「例えば、今ベストセラーになっている『おひとりさまの老後』ってあるじゃない?あの背景には老いのテーマと共に結婚制度への懐疑というフェミニズムのシビアなメッセージも込められているけど、それを気付かせるタイトルにはなっていないわ」

 「フェミニズムは結婚制度に懐疑的なんですか」

 「そうね、っていうかもっと明確な結論まで到達しているけど」
 「結婚制度がなくなれば、差別はなくなるんですか」

 ここで私はフォークを落としそうになった。そうなのだ。これなのだ。すべてのフェミニズムの限界がここにある、と思った。男女混合名簿にすれば差別はなくなるのか。男女同じ更衣室なら差別はなくなるのか。そういった単純な歪曲化でもって本来解決されなければならない問題は、まったく異なる次元で周りに苛立ちのみを煽ってきた。

「遙 洋子の「男の勘違い、女のすれ違い」」のバックナンバー

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「男女でしてはいけない会話」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ジェンスン・フアン エヌビディア創設者兼CEO(最高経営責任者)