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実は日本の投資家が過半のファンドです

~カーライル・グループ マネージングディレクター日本代表 安達保氏(3)

2008年7月8日(火)

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 米国系投資ファンド、カーライル・グループの日本代表、安達保氏が語る「経営者への道」。とかく「ハゲタカ」扱いされがちなファンドだが、同グループは投資家の構成やM&A後の運営などをうまくローカライズして、投資先企業の価値を引き出していると言う。


カーライル・グループ マネージングディレクター日本代表 安達保氏

司会、山中(以下Y) 2003年にカーライルに移られるんですけれども、これはどんな形で。

安達 実はもう3年ぐらい前にカーライルから、「ファンドを設立するときの最初のリーダーにならないか」という話があったんですけども、日本リースオートの社長をやっていましたので、簡単にやめられる状況でもなかったし、バイアウトのビジネスが日本でこんなに立ち上がるとは思っていなかったので、興味もなく、行く気もなかった。(2003年のときも)断ろうと思ったら、敵もさる者、「ここだけやってくれればいい」と言うから、「やってみるか」と移ったということです。

Y 「ここだけ」というのは。

安達 チームにまとまりがなかったので、「チームの力を結集してくれればいいよ」ということです。一人一人の力をうまく出せる環境をつくれば、結果に結び付くという感じはしました。

Y 全体で20人ぐらいでしたっけ。

安達 今は二十数名ですね。入ったときは13~14名ぐらいだったと思います。

Y どうやってそのミッションを果たされたんですか。

安達 私が一番感じたのは、組織が非常に内向きになっていたんです。

 いろいろ努力はしているんだけれども、なかなか結果に結び付かない。みんな、夜こっそり自分の親しい仲間と飲みに行っては、「あいつが悪いんだ」と、そんなことばかり言っているわけですよ。

Y 20人足らずでもそういうことが起こりますか。

安達 カーライルは最初、とにかく人を十数名採ったわけです。その人たちの価値観はばらばらで、共通の目標も価値観も持ってない。仕事もないから、みんな暇で、人の文句ばっかり言っていると。

 まずは「この人たちを忙しくさせないとだめだな」と。ディールになりそうな案件があったら、「とにかく、みんな追いかけろ」と。たまたま、そういうオポチュニティーも出てきたので、私が行った年に2つディールができたんです。

 私が来る前の3年間は1つしかできなかったんです。私が行ってから2つできて、「みんなやればできるじゃないか」という気持ちになったのが非常に大きかったと思います。

ファンドにも2種類ある

Y ところで「外資」で「ファンド」というと、どうしても「ハゲタカ」のイメージがありますよね。

安達 我々のようなプライベートエクイティファンド――バイアウトファンドとかベンチャーファンドとか、未公開企業に投資をしているファンドですけれども――そういうファンドと、いわゆる上場株式に投資をしている、スティール・パートナーズのような典型的なアクティビストファンドとが、ごちゃごちゃになっていて、要するに「ファンドって、アクティビストファンドみたいなことをやるんじゃないか」と誤解されるわけです。

 実は全然違って、アクティビストファンドとかヘッジファンドは、まずは上場株式を市場で買ってから、会社に対して要求を突きつけるわけです。それに対して、我々は最初に「自分たちは、この会社をこういうふうにサポートできます」とか、「こういうふうに一緒にやってみませんか」と、経営陣とよく話し合いをして、合意をした上で投資をするわけです。

 バイアウトファンドというのはマジョリティを取ります、51%以上。だからこそガバナンスが利く。マイノリティだったらガバナンスは利きませんので、我々は、極力そういう投資は避けているわけです。

 アクティビストファンドは逆にマイノリティ投資をして、要求だけは突きつける。その要求も株主にとってプラスになれば、ほかの株主も賛成をしてくれるかもしれませんけれども、日本の場合、情緒に流される株主も多いですから、結果としてなかなかうまくいっていないのかもしれません。

 バイアウトが起こるためにはいくつかの要素が必要です。我々は買うと、3分の1ぐらいは自分の資本を入れるんですけれども、3分の2ぐらいは銀行からの借り入れで買収するわけです。そういう3分の2のローンを出してくれるような銀行がいるかどうかは非常に重要です。

 それからファンドにお金を出してくれる投資家がいるかどうか、それをやるプロフェッショナルがいるかどうか。買った会社の経営者がいい人じゃなかった場合、外から連れてこなくちゃいけない。そういう場合に経営者の流動性ということが非常に大きな要素になります。カーライルの場合、できるだけ既存の経営者とやるんです。

司会、秋山(以下A) なぜですか。

安達 日本は、会社に外からぽんと来て、経営者としてやっていけるような人材のプールが非常に薄い。また、新しい社長がぽんと来て、みんなが「はい、分かりました」と言って、その人に付いていくかというと、あまりない。まずは「お手並み拝見」になりますので、外から人、特にトップを連れてくるのは非常にリスクがあると思っています。

 あと売り手の存在。これも日本の場合、非常に重要です。ディールがあまりないという状況ですから。

Y 減っているんですか。

安達 バイアウト自体は、ここ数年、堅調にずっと伸びてきた。ところが今年(2007年)上半期だけ見ると、必ずしも2006年よりもターゲットが広がったとは言えません。アクティビストファンドの影響もあって、ファンドというものに対するイメージが悪くなったこともありますし、それから日本の経済がよくなったので、「子会社を売却したい」というケースは多くなくて、非常に数少ない売り物件に対して買いが殺到しているのが現実です。

 ただ長期的に見れば私は決して悲観していません。こういうファンドが、日本の企業なり、産業構造の変革のために、潤滑剤として働いていく要素が必ずあると思っていますので、早晩、また増えてくると思っています。

A そもそも、なぜバイアウトをするんでしょうか。

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「実は日本の投資家が過半のファンドです」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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