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「川は1回で渡り切れ」

~カーライル・グループ マネージングディレクター日本代表 安達保氏(4)

2008年7月10日(木)

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 企業再生ができるかどうかは「会社を変えていこう」という人間が内部にいるかどうか、そして、やりやすい再建策だけを選ばず「やらなくてはならないことを、一度にすべて」やることができるかどうか。投資ファンド、カーライル・グループの日本代表、安達保氏はこう語る。


カーライル・グループ マネージングディレクター日本代表 安達保氏

司会、秋山(以下A) 私も、産業再生機構からの依頼で、カネボウ化粧品の仕事をやっていたんです。そのときは、経営陣を代えたことがすごく大きかった。

 当時、42歳の知識(賢治)さんという人を社長にして、あとは産業再生機構から会長が来て、大きな価値軸の転換というのが起きたから成功したんだ、というのが、個人的な感覚としてすごくあるんです。

 カーライルの場合、出資先に社外取締役を送り込んだり、あるいは51%以上持っている大株主として、どういうふうに、考え方とか行動を変えるようにしておられるんだろうと。すごく興味があるところなんですけど。

安達 最初に(出資先に)登場するとき、「会社を変えていこう」という気概を持った人たちがいるかどうかが、大きな分かれ道になりますね。

 その人がCEOではないケースもあるんです。基本的には既存経営陣を温存すると申し上げましたけど、必ずCEOを残す、わけでもない。例えばCOOなり、副社長か専務あたりで、すごく優秀な人がいて、そういう人をプロモートして実権を持ってもらい、どんどん会社を変えていく、そういうこともずいぶんやっています。

 ただし、経営陣のグループをそっくり入れ替えるのは結構大変なので、少なくとも僕らは今まではやっていません。僕らの投資基準の中に非常に重要な要素として、そういうリーダーがいるかどうかは必ず見ます。

司会、山中(以下Y) そういう人がいるかどうかは、調べて分かるものなんですか。

安達 デューデリをやりますので、その中で当然、顔を合わせるわけですね。その人たちが今まで何を考えてやってきたのか、なぜできなかったのか、どういうことをやろうと思っているのかを、互いに話し合うことで、その部分は相当分かります。

従業員にかわいそうなことをしていないか

Y 実例を、例えばキトーの例でお話しいただけますか。

安達 キトーはいわゆるオーナー企業だったわけですけれども、僕らはオーナーを経営陣としてそのまま起用して投資したわけです。オーナーは、今はもう相談役も退かれてリタイアされちゃいましたけれども、会社の何が悪いのかということは、分かっておられた。

 ただ、なかなか実行に移せない、会社の危機感がそこまで至ってないという状況だったわけです。そこで我々が入ることで、当時はカーライルなんて誰も分からないし、「ハゲタカか」と思われたかもしれないけれども、会社の中に一種、緊張感が走ったのは間違いない。

 1つ、全然利益を上げてない事業がありました。自動倉庫の事業です。キトーというのは、ホイストとかクレーンを造っている日本のトップメーカーなんですけど、自動倉庫もやっていました。自動倉庫の分野でのコンペティターというと、ダイフクとかIHIとか、結構大きなところがあるんです。

 いい技術はあったんですけれども、利益が全然出てなかった。この事業をどこかに譲るということを当時の社長は考えていたわけです。でも実行できなかった。そこを僕らが背中を押したんです。事業をシャットダウンするとか人を減らすとか、そういう残念な結果になることもあり得たんです。けれども、ダイフクがキトーの技術を非常に高く買ってくれて、そっくりそのまま事業を引き継いでくれた。

 この部署の従業員の人たちはキトーの中で、ある意味、端に追いやられていた事業から、自動倉庫の業界ではナンバーワンの企業へ移って、扱いもよくなり、非常にハッピーだったわけです。

 そういうことが日本の産業の中にいろいろあり得るわけです。自分の事業がみんなかわいくて、「売らない」と思っている経営者は、実は社員に対して大変かわいそうなことをしているのかもしれない。そういうデシジョンが下せるか、下せないか。そういう意味で、経営者というのは、僕は非常に重要だと思っているんです。たまたまキトーの場合、それができる経営者だったということです。

 その他、キトーの場合、いくつか成功した打ち手があったんです。

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「「川は1回で渡り切れ」」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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