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国産小麦はひっぱりだこ

あのロングセラー菓子も北海道産に原料切り替え

  • 宮嶋 康彦

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2008年7月17日(木)

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 前回触れたタイ焼の拙著は2002年刊。編集を担当してくれたのは正田さんという女性。日清製粉創業家のお嬢さんだ。当時、粉屋の娘が粉もんの本を作る、と冗談を言ったものだが、本人は、奥ゆかしく笑みを浮かべるばかり。気持ちよく仕事をし、素晴らしい本に仕上げてくれた。筆者が、タイ焼から小麦を連想したのは、そうした背景もあった。

 もうひとつ、小麦の取材のきっかけは、当コラムの読者でもある、北海道小清水町の河西定博という旧友が、じつは、と前置きして「小清水の小麦は道内でも格別に品質が良いことを知っているか?」と教えてくれたこと。「十勝産」なら何でも一級品と思っていた筆者には意外な教示であった。

 残念ながら、前回紹介した“天然物タイ焼”をこしらえる店で、小清水産の小麦粉を使用しているところはない。ないけれども、このさい、よく理解していない小麦の、米の国での立ち位置を知っておきたいと考えた。

 筆者には小麦より大麦が馴染み深い。ちいさいころ、学校へ行く前に親戚の田で麦踏みを手伝わされた。麦飯を食べた。麦畑でヒバリの巣を見つけて遊んだ。祖母が麦藁で蛍籠をつくってくれた。精霊舟をこしらえたのも麦藁だった…と、麦との関わりを思いだす。

 小麦については、米国産小麦で作られた学校給食のコッペパンや、3日続けて食べれば食傷した、だご汁(すいとんのような食べ物)の味を覚えている程度のこと。

 そこで、なにはともあれ小麦の国へ行ってみようと考えた。良くも悪くも思いつけば、すぐに行動するというのがカメラマンの性癖。とりあえず、小清水町に飛ぶことにした。

 旧友のおかげで小麦の耕作農家に会うことができた。折りしも会合が開かれているという、地域の集会所に出かけて行った。

十勝地方に勝るとも劣らない小麦一大産地

 「農協のもとに一致団結してがんばるしかない」
 「農協は情報源、作物のことばかりか、農政や農業の情勢をいち早く知ることができる」

 農家9軒の寄り合いで、1人がもらした言葉は意外な響きとして筆者の身内を震わせた。これまで、JA農協を賞賛する農家に遭遇したことがなかったからだ。むしろ、反旗をひるがえして独立独歩でいく、いわゆる、アウトローたちに話を聞くことが多かった。この町では、農協と農家の、良好な関係が成立しているらしい。

 いや、内情を調べていけば、そんな単純な結びつきではないことが理解される。一戸の農家は、行政や製粉会社、二次加工業者と農協、というぐあいに、一つの円弧の中で補完し合っていることが知れる。当たり前のことだが、どのパーツが抜けても成り立たない構造だ。米社会とはずいぶん異なる風景を呈している。

 小麦の花が咲く北海道斜里郡(斜里町、小清水町、清里町)を歩いている。

 オホーツク沿岸の町は、知床、道東観光の基点として名高いが、小麦の一大産地であることは、あまり知られていない。小麦の主産地は十勝地方というのが一般的だが、その品質は年によっては十勝より良質、と評価が高い。

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