• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

不倫処理に見える企業倫理

2008年7月25日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 報道番組のキャスターが野球選手と不倫したとされ、責任をとって番組をとりあえずは降板した。

 この一連の展開を裏付け、私たちがある種の納得をする背景に“倫理”というものがある。この倫理がある以上、守られるべきは家庭であり夫婦で、それを侵す独身女性のほうに非が偏りがちだ。

 今回のケースでは男性は髪を切ることで世間に謝意を表明した。なら、女性だって髪を切って番組に出続けたらいいと、私なんかは思ってしまう。

 それ以降のメディアでの解説では、もっぱら、その女性の性癖や酒癖みたいなものに帰着され、我々が共有する倫理を疑うところまでには至らない。

 なぜ、野球選手が2軍に落ちず、キャスターが降板したか。職業がもつ社会的意味合いからか。なら、なぜ、このキャスターの一度目の不倫発覚の相手男性が議員であった時には、その意味合いにおいての処遇が機能しなかったのか。

 キャスターはしょせん一企業が決めた人事だが、議員は国民の代表として職につく。倫理を犯した社会的罪を考えると、どちらが制裁されるべきかは言うまでもない。

 つまり、どんな職業であろうが、この手の問題で罰せられるのは女性のほうだ、ということになる。

 しかし、考えてみれば独身女性はあくまで誰にも拘束されない自由な立場なはずだ。それに比べ、既婚男性は、自らの意思と法律において、拘束された立場にある。倫理が、人としてまっとうな生き方を指すのなら、制裁されるべきは男性のはずだ。

 ところがこの社会は男性に甘い。どれほど女性の地位が上がったとおだてられようが、こういう時に、この社会の本音がポロと出る。

 男性は性衝動を抑止できない生き物で、女性は自由な性衝動で生きてはいけない生き物であるという、これぞ、ダブルスタンダード。これがある以上、どんな性犯罪でも男性はある種の免罪符を持ち、誘った女が悪い、となる。

「遙 洋子の「男の勘違い、女のすれ違い」」のバックナンバー

一覧

「不倫処理に見える企業倫理」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

プロフェッショナルとして、勝負どころで安易に妥協するなら仕事をする意味がない。

手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト