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部下を叱れますか?

2008年8月22日(金)

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 とても人はいいのだけれど、何故か、周りを怒らせる人って皆さんの周りにもいないだろうか。今でいうと「KY」というのだろうか、空気や状況が読めず場違いな発言をしてしまう人のことだ。

 私の職場にもそういう人がいる。あるトークショーの仕事を終え、皆で打ち上げの宴席があった。主催者や関係者がそれぞれに「うまくいってよかった」「成功だ」と喜び、乾杯をした。気持ちが高揚し皆のテンションも上がっていた。

 その時だった、その日に初めて参加したスタッフが、無邪気な表情で今日のトークショーの感想を皆に言った。

「僕、今日のトーク観てないんですけど」

 ここで、私は不審に思った。初めての参加なのになぜ観ていないのか。観ていないのに何を発言しようとするのか。発言できることがあるのか。観ていないのに。

 スタッフは続けた。
「スムーズに進行するって、観ている側にはつまらないですよね」

 乾杯で盛り上がった場は一瞬に水を打ったようになった。
そもそも冒頭での前置きとは文脈がつながらなかった。観ていないのに、観ている側の意見をなぜ言えるのか。これは皆の祝杯を否定したいのか。初めて参加する仕事で、仕事の出来を批判する真意はどこにあるのか。 それともただの世間話か。それならそれが何故今か。私は混乱した。

 「それって、今日はつまらなかったと言いたいんですか?」と私はその男性に聞いた。

 男性は皆の静けさを意に関せず無邪気なまま続けた。
「ていうか、面白いトークショーって、スムーズに行かなかった時にありますよね」

「じゃ、今日はうまくいかなかったと言いたいわけ?」
「っていうか、ハプニングが起きたときにその人物像が出るじゃないですか」

「じゃ、今日はトークショーで人物像が出たと言いたいの?出なかったと言いたいの?」
「っていうか」

「面白かったの?面白くなかったの?どっち?」
その頃には、関係者の表情が引きつりだした。

 私の剣幕を「まあまあ」と止めに入ったのはその男性の上司だった。私はまた混乱した。なぜ上司は部下の不適切な発言を制さず、私のほうを制すのか。せっかくの祝宴を私は憮然と過ごすことになった。

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「部下を叱れますか?」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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