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社員が嘘を覚えるとき

2008年10月10日(金)

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 私は外車に乗っている。各地にディーラーが配置されている安心感が、私がその車を選んだ理由だった。遠隔地の仕事には主にその車を使用していた。

 京都でのことだった。たたんだサイドミラーが突然開かなくなった。

 私が車を購入した大阪のディーラーに電話すると整備士が「保険会社のサービスを利用して京都のディーラーに運んでもらってください」というので、「京都市内にいるのだから、京都のディーラーに来てもらえないか聞いてくれる?」と頼むと「はい聞いてみます」と答えた。

 数分後、大阪のディーラーの今度は営業から電話が入り、「聞いてみましたがあいにく人手がなく迎えにはいけないとのことでした。JAFでしたら2万円以内で移動できますが」と言った。

 「目と鼻の先の移動で、ミラーが開かないだけなのだから自分で運転します」と答えた。

 不自由な運転で京都のディーラーに着くと、8人ばかりの整備士と営業がぞろぞろと私を迎えに出てきた。ドアを開け、私に「お待ちしてました」と明るく挨拶した。

 瞬間、私は怒りを爆発させた。

 「これだけ人数がいて、迎えに来られないってどういうこと」

 あまりの怒声からか、名刺を出そうとした姿勢のまま奥のフロアに消えていく営業もいた。

 誰も即答しないことに私は苛立ちを募らせ、「迎えに来なかった理由を教えてください」と声を荒げ続けた。すると、「僕たち迎えのことは聞いていません」という返事がきた。

「人手不足を理由に断ったんじゃないの?」
「いいえ。そんなこと言ってませんし聞いてません」

 私は大阪のディーラーを呼び出した。整備士はまだ若い青年だった。私を担当している営業はベテランの男性だ。

 私はまず青年のほうに聞いた。

 「なぜ嘘をついたの」
 「・・・・・同じディーラーでも、実質は別の企業で無理が言えないから」と青年は言った。

 「初めから頼めないと分かってたわけね。じゃなんで“聞いてみます”と言ったの」
 「・・・・・」

 営業にも聞いた。

 「なんでベテランの営業まで、“聞きましたけど”なんてすぐバレる嘘をつくの」
 「・・・・・」

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「社員が嘘を覚えるとき」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長