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松下幸之助は生きていた

2008年10月24日(金)

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 企業ブランドイメージは、商品そのものがまず大切なことは言うまでもないが、そこに、社員の資質、気質が強く影響するのだと痛感する出来事があった。

 パソコンがある時故障した。故障するときは画面が突然真っ暗になって壊れるのだ、と、知人からは聞いていたが、これがそのことか、と血の気が引いた。緊急の重要なメールを打ち、送信する直前で壊れたのだった。

 あわてて「お客様サービス」に電話した。修理には、宅配で送る方法と、直接センターに持っていく方法があると案内された。私は迷わず、持参を選択した。そこですぐ見てほしかったのだ。

 ところがセンターに行ってみると、「ここは預かるだけで、ここから工場に運びます。ここで修理はしません」と窓口の女性が説明した。

 「ここで見てもらえると思ったから持参した」と泣きそうに言うと、「緊急ならお客様サービスに電話して方法を相談してください」とその女性に勧められ、仕方なくそうすることにした。

 自分の車に戻りさっそく電話したが、「混み合っているので折り返し電話します。いつになるかわかりません」と案内された。がっくりと落胆し、私はセンターの駐車場に止めた車の中で、その、いつになるかわからない電話をずっと待った。午前が午後になり、焦りばかりが神経をきりきりさせた。

 しばらくすると私の車に近づく男性がいた。さっき尋ねたセンターの青年らしかった。青年は車の窓に近づき言った。

「お困りですか」
「はい」と私は驚いて答えた。

 青年は、「では、工場の担当者に連絡をつけましたので、直接行ってください」と言った。

 彼は私と窓口の女性との会話を聞いていたらしかった。そして、頼まれたわけでもないのに、私の様子を見て、自分の判断で工場に連絡し、わざわざ車まで言いに来てくれたのだった。朴訥とした人柄の青年だった。

 私は急いで工場に車を走らせ、あくまで緊急の例外として担当者に見てもらうことでなんとか危機を逃れることができた。パソコンを抱きしめながら、腰が抜けたようになった。

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「松下幸之助は生きていた」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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