• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

社員が壊れる【4】現代のチャップリンは叫ぶ、私たちはもう限界です

  • 日経ビジネス

バックナンバー

2008年11月13日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 人員削減、成果主義の導入、非正規雇用者の活用…。1990年代初頭のバブル崩壊以降、日本企業はそれまでの雇用慣行にメスを入れることで激しい環境の変化を生き延びた。その一方で、日本企業の競争力の源泉、社員に深刻な危機が訪れる。日経ビジネスが描いた日本経済の40年、かつて「気楽な稼業」と流行歌に歌われた世界に訪れた変化は今も経営の大きな課題だ。

* * *

2005年10月24日号より

  3時間の睡眠で働く店長、手取りが2万円に激減した営業マン――。
企業活動の現場をのぞくと、追い詰められた労働者があちこちにいる。
「もう限界です」。現代のチャップリンたちはもがき、苦しむ。

(松浦 由希子、篠原 匡、中野 貴司、小路 夏子)

 「死ぬ時はきっと事故死だろうな」

 眠気で意識がもうろうとする中、ハンドルを握っていた男はふと思った。時刻は深夜1時。連日の残業の疲れが極限に達していた──。

 高野広志さん、44歳。埼玉県北部の幹線道路沿いにあるマクドナルドの店長だ。日本マクドナルドに入社して18年。今の店に赴任するまでに3店の店長を務めてきた。

 その高野さんのつい数カ月前までの生活は、常軌を逸するものだった。かつて、徹底した効率経営で「デフレの優等生」と称された日本マクドナルド。だが、チェーンシステムを支える現場は、“金属疲労”を起こしつつあった。

睡眠時間は2~3時間

 最も忙しかった頃の高野さんの1日を振り返ってみよう。

 起床は朝4時10分。顔を洗い、身支度を整えると、車に飛び乗り、店に向かう。4時半過ぎに家を出て、店に着くまで約1時間半。6時30分頃からアルバイト1人と準備を始め、7時に店を開ける。そして、朝食メニューを求める客を次々にさばく。

 10時。「時間帯責任者」と呼ばれるベテランのアルバイトが出勤すると、車の中で仮眠。時間帯責任者が来ない日は、弁当を食べながら、店の裏で待機する。

 1時間の休憩が終わると、書き入れ時の昼。車から起き出し、店に戻ってアルバイトに指示を出す。ピークの時間帯のアルバイトは、普通なら5人は必要。だが、高野さんの店では、ここでも時間帯責任者が欠けることが多く、店長自身も接客に出なければ、注文をこなし切れない。店頭での指示、接客は、そのまま夕方6時まで続く。

 その後、2度目の休憩を挟んで、閉店時間の夜11時まで店に立つ。シャッターを閉めてから、アルバイトが掃除をする横で、その日の売り上げを確認。仕事から解放されるのは日付が変わる頃で、1日2~3時間の睡眠を確保するのがやっとだった。

 こうした悲惨な生活は、前の店にいた昨年7月頃から約1年続いた。月100時間を超える時間外労働で疲れがたまり、ぎっくり腰になって、店から病院に運ばれたこともある。今年5月には、手にしびれを感じるようになり、病院に行くと、「軽い脳梗塞」と診断された。

 高野さんの仕事は、なぜここまで過酷になったのか。問題の根っこにあるのは、個店の業績管理制度だ。

コメント12

「日経ビジネスが描いた日本経済の40年」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「絶対これしかありません」というプランが出てきたら、通しません。

鈴木 純 帝人社長