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だれも言わない“ニッポン版サブプライム問題” ~中小企業、金策パニック

貸金業法改正、じわり広がる余波

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2008年11月20日(木)

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 世界経済に金融危機と景気後退をもたらしたサブプライムローン問題。ところが、日本にも同じように幅広い分野に悪影響を及ぼす"日本版サブプライム問題"がある。収入、貯蓄に見合わない消費を続けてきた人たちの問題だ。彼らのライフスタイルを支えてきた借金に急ブレーキがかかる。

* * *

2008年6月16日号より

世界経済失速、米国発金融不安…。リスクに揺れる日本経済。
だがその足元では、もう1つの火種がくすぶり続けている。
それは、完全施行まで約1年半と迫った改正貸金業法。
多重債務者の救済を促す一方で、中小企業向け資金を凍りつかせた。
じわり広がる信用収縮が、今後の景気後退リスクとなる可能性も。
現場で何が起きているのか。

(大竹 剛、蛯谷 敏)

 5月下旬、東京都心の歓楽街。180cm近い長身の男は、おもむろに雑居ビルの一角を指さした。その先には、無数の消費者金融業者の看板が輝いている。

 「ああいったところから借りられない客が、最近数多く押し寄せてきている」。雑踏の中でも通る低い声で男は話し始めた。

 ヤミ金融業者――。法律で定められた上限を超える金利でカネを貸す、違法な貸金業者である。

 男は、7年前にヤミ金の世界に足を踏み入れた。年は20代後半。短く刈った髪、縦縞の入ったダークスーツ。厄除け効果があるという水晶のブレスレットを、肌身離さず身に着けている。

ヤミ金を頼る債務者急増

 2006年12月、改正貸金業法が成立した。2009年末までに、段階的に貸し出しの上限金利が引き下げられ、貸し出しの総額を年収の3分の1とする総量規制も組み込まれる。高金利に苦しむ多重債務者を救うのが狙いだ。

 ところが、この法改正は大きな“副作用”も生み出した。消費者金融や事業者金融会社が引き下げた金利に見合うよう、貸し出し基準を厳しくした。その結果、資金を借りられなくなった中小・零細企業が大量に発生したのである。そして、その一部は、この男のようなヤミ金業者に流れてしまうと言われている。

 実際はどうなのか。ほとんど知られていないヤミ金の実態を知るためには、当事者への取材が不可欠。だが、その存在自体が違法であるヤミ金は、表にはなかなか登場しない。数多くの業者に依頼した結果、匿名を条件に取材に応じたのが、このヤミ金業者だった。
 男は繰り返した。「ここ数年でヤミ金の客は増えている。多くは、消費者金融や事業者金融からの融資を受けられなくなったケースだ」。

 ヤミ金ビジネスの実態についても語った。多くの業者は3~5人の少数で活動する。客の開拓に特別なリストなどはなく、タウンページなどを見ながら直接電話をかけたり、ダイレクトメールを送ったりして見つけ出す。

 このヤミ金業者の場合、活動拠点は東京23区が中心。最近ではニーズの高い長野市や宇都宮市といった地方都市に出張する機会も増えている。「新幹線で2時間半以内の場所ならどこにでも行く。ただし、名古屋や大阪はシマ(縄張り)が違うから近寄らない」。

 融資の対象は、中小・零細企業の経営者。20万~200万円程度を現金、無担保・無保証で融資する。金利は、10日で13%。出資法の上限は年率29.2%だから、いかに高金利かが分かる。だが、これでも金利は以前に比べて引き下げたのだという。「最近はヤミ金同士でも競争は激しい。客をつなぎ留めるために、取引実績に応じて金利を下げることもある」。熾烈な金利引き下げ競争が起きるほど、ヤミ金業者がひしめいているのだ。

 借り手の客で特に増えているのが、建設・不動産業。いずれも、昨年から急激に事業環境が悪化し、倒産する会社が相次いでいる。「両者とも、仕事の受注から入金までの期間が長い。その間の運転資金が枯渇する会社が多く、我々を頼ってくる」と男はいう。

求められる借り手の自立支援策

 客の増加は、必然的にヤミ金業者を増殖させる。「まともな看板を掲げているよりも、ヤミ金としてやっていく方がまし、と考える業者が大挙して入ってきた」と男は言う。

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