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【時代のリーダー】小倉昌男・ヤマト運輸会長

“聖戦”を挑むイノベーター 鋭利な論理と倫理が霞が関の権益を揺るがす

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2009年1月16日(金)

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先行きが見通しにくい2009年。困難な時代には新しいリーダー像が生まれるはずだ。これまでも企業経営や政治に新しい時代を切り開いたリーダーがいた。そんな時代のリーダーを日経ビジネスが描いた当時の記事で振り返る。
(注)記事中の役職、略歴は掲載当時のものです。

* * *

1988年10月24日号より

12年前、ヤマト運輸会長の小倉昌男が1人で生み出した「クロネコヤマトの宅急便」の年間取扱個数は3億個。全国にはりめぐらした同社のネットワークは民間企業最強と評される。役所にはむかう業界の異端者は、今や規制打破のシンボル。時代は変わり、異端は既得権保護に必死の官僚側。頑固一徹なクリスチャンには、異端に挑むのは使命。正義の戦いなのだ。 =文中敬称略=

(永岡 文庸)

小倉 昌男氏

小倉 昌男(おぐら・まさお)氏
大正13年12月、東京生まれ63歳。昭和22年東大経済学部卒業、23年大和運輸(53年ヤマト運輸に社名変更)に入社。36年取締役、46年社長に就任。62年会長に。入社直後に結核で4年間の闘病生活。あと半年の命という時、救世軍から聖書の差し入れを受けたのが、きっかけでクリスチャンに。愛読書は内村鑑三の著作。内向的な性格を変えようと50歳から、常磐津と義太夫を始める。

 毎朝7時、小倉は玲子夫人と連れだって自ら運転する自動車で東京・港区青山の自宅を出る。麻布にあるカトリック教会の早朝ミサに出席するためだ。礼拝堂にひざまずき、30分間静かにいのる。

 「今日も悪いことはけっしてしません、と誓って出てくるんですよ」と少しはにかむが、小倉にとって1日でもっとも穏やかな時間である。同時に、延々と続いている霞が関官僚との規制緩和をめぐる戦いを前にした、おごそかな儀式でもあるのだ。

 小倉の非論理的なものに向けられる妥協なしの鋭い攻撃は、官僚に対してだけではない。ビジネス、社会全般、先輩、友人すら例外としない。自ら「狷介(けんかい)」という頑固な性格に、異端審問官のような激しさが加わる。

 理不尽なお上に挑むのは、クリスチャンの小倉には“正義の戦い”なのだ。

運輸省の天敵が行革審に

 9月末、運輸省はトラック事業の規制緩和措置を発表した。事業参入での免許制の廃止、路線と区域など営業区分の廃止、運賃認可制を届出制にするなど盛りだくさん。昭和26年に制定された通運事業法まで廃止することが決まった。

 記者クラブで説明した大塚秀夫貨物流通局長が「こんな抜本的な運輸関連法の改正は、戦後初めて」と意気込むのもわかる。同省にとって、規制緩和に反対決議している全日本トラック協会(会長加藤六月氏)など業界を押し切っての初の英断でもあったからだ。

 実はこの発表は10月に予定されていたのが、繰り上がった。無理やり発表を強いられたと言ってもいい。

 この前日に新行革審で運輸省関連のヒアリングが行われ、規制緩和に対し何らかの具体案をださざるをえなかったのだ。その行革審のメンバーに運輸省の天敵ともいうべき小倉が入っている。

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