• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

【時代のリーダー】大川功・CSK社長

「株券に顔写真を刷る男」人生は感動でつづりたい 社員にも株主にも共鳴迫る

  • 日経ビジネス

バックナンバー

2009年1月23日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

先行きが見通しにくい2009年。困難な時代には新しいリーダー像が生まれるはずだ。これまでも企業経営や政治に新しい時代を切り開いたリーダーがいた。そんな時代のリーダーを日経ビジネスが描いた当時の記事で振り返る。
(注)記事中の役職、略歴は掲載当時のものです。

* * *

1988年6月20日号より

 「僕のビジョンに、社員も株主も共鳴してほしい」。42歳でCSKを創業し情報サービス業大手にかけ登った社長の大川功(62)は「経営は人生観そのもの」という。株券にも自分の顔写真を刷り込み、株主にまで大川個人への理解を求める。青年時代の8年間を病気で捧に振り、自ら「はみ出し者」という大川は焼けるような自己顕示欲を秘めている。 =文中敬称略

(森 一夫)

 CSKが高度情報技術者育成の拠点として総額約150億円を投じて建設した「CSK情報教育センター」がこのほど竣工した。ベッドタウンの東京・多摩市に出現した4棟のコンピュータービルは一きわ目を引く。

 200人の宿泊設備やイベント・ホールを備えたこの豪華施設は、創業20周年を迎えた大川功の一大モニュメントといえる。実はここに大川その人の資料館も近く設けられることになっている。大川の子供の頃からの写真や手紙、文書、預金通帳など、大川の足跡をしるす品々が展観される予定だ。

CSKは私の人生観そのもの

大川 功(おおかわ・いさお)氏
大正15年5月19日大阪市生まれ、62歳。昭和23年3月早稲田大学専門部工科卒業。37年大阪計算代行取締役、41年日本計算センター取締役大阪営業所長などを経て、43年10月コンピューターサービス(現CSK)を設立し社長となる。57年東証2部に株式を上場し、60年東証1部に指定替え。62年CSKに社名を変更した。

 現役の経営者が進んで自分の記念館を造るのは極めて珍しい。似たような例は、松下電器産業が創業者の松下幸之助取締役相談役の偉業を記念して設けている歴史館くらいだろう。

 「経営とはトップのビジョンに全社員を共鳴させ、全社員の努力を通じて、その夢を実現させること」

 「現在のCSKは私の人生観以外の何ものでもありません」

 これは、CSK編集の「社員読本」第1巻の冒頭に出てくる大川自身の言葉である。この「社員読本」は、「CSKの経営理念」「大川語録」「社長講話集」など4巻からなる。まさに大川のビジョンに全社員を共鳴させるための教材なのである。巻頭には、にっこり笑う大川の顔写真が載っている。CSKの手帳もトビラをめくると、大川の写真がほほ笑みかけ、社是、経営理念が刷り込んである。

 自分の考えを社員に徹底するための工夫は、実に行き届いており、感心させられる。例えば、社員に毎月配る給料の明細袋の余白には、当月の幹部会で行った大川の社長講話の要点が、びっしりと印刷してある。

 もっともこの程度で驚いてはいられない。大川は、なんと株券にまで自分の顔写真を刷り込んでいるのだ。この一風変わった株券を初めて手にした株主は、特別印象深くながめるに違いない。大川は独特の大阪弁でこう語る。

 「これまでにない新しい情報産業の会社をつくろうってんで僕も一世一代の勝負しとんのやから、オーナーの精神をやな、まず社員、それから株主さんにも共鳴してほしいわけや。この株券見たら、このおっさん、こういう考えを持っとるなとね」。

 これでもか、これでもかと社内外に自分を売り込む大川。面白おかしく伝えようと思えば、この手の話はまだいくらでもある。大川に対する誤解や中傷が少なくないのも、こうした点に原因があるのかもしれない。一代で情報処理大手にのし上がった大川は、その挑戦的な物腰からも強引なワンマン経営者のイメージを振り撒いている。

 いま造ろうとしている「大川資料館」を「自己宣伝」と受けとめれば、それだけでも大川は実に鼻持ちならない男に見えてくるだろう。しかし“自己宣伝”も大川ほど徹底してやるとなると、容易なことではない。伊達や酔狂では永続きはしない。

 昨年から大川は、「語り継ぐ経営」と称する幹部教育に力を入れている。主に中途入社の幹部社員を10~20人ずつ集めて行う。中身は、大川の独演会だ。4月のある土曜日、午後1時から大川は語り始めた。「例えば自ら手を染めるとはどういう姿勢をいうのか」自分の失敗談を交えて、大川流経営哲学のさわりを5時間余りぶっ通しで話し続けた。その日は晩に解散したが、夕食の時も含めれば大川は9時間たっぷり「人生観」を吐露したことになる。

 要は大川という男をわかってくれよということなのだが、その一点へのこだわり方は尋常ではない。「2泊3日の時は、僕が17、8時間しゃべっているよ」(大川)という。

「日経ビジネスが描いた日本経済の40年」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長