• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

【時代のリーダー】稲盛 和夫・京セラ会長、第二電電会長兼社長

「カリスマから“大人”へ」変身したベンチャーの旗手 逃れられぬ“成功者の重荷”

  • 日経ビジネス

バックナンバー

2009年1月30日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

先行きが見通しにくい2009年。困難な時代には新しいリーダー像が生まれるはずだ。これまでも企業経営や政治に新しい時代を切り開いたリーダーがいた。そんな時代のリーダーを日経ビジネスが描いた当時の記事で振り返る。
(注)記事中の役職、略歴は掲載当時のものです。

* * *

1988年12月19日号より

 「大人になってきましたね。少し気も長くなりました」。自らこう語る今の稲盛和夫(56)には、かつてのカリスマ型のワンマン経営者というイメージは、そぐわない。現在、力を入れている第二電電は公益事業である。成功すれば、大きな栄誉が約束されている。しかし同時に、ベンチャーの旗手は着実に変身を迫られる。そこに稲盛自身の知られざる葛藤がある。 =文中敬称略=

(森 一夫)

 稲盛とのインタビューの帰り道、同行したカメラマンが、筆者にこう語りかけてきた。「稲盛さん、今日は随分、柔和な表情でしたが、お孫さんでもできたんですか」。

 稲盛には3人の愛嬢がいるが、いずれも未婚である。もちろん孫はいない。ただ稲盛のいかにも丸い表情には、筆者も正直、戸惑っていた。左の写真がその時のものである。経営者も一種の権力者だ。さすがに社内では、現在もたまには役員を怒鳴りつけることがあると後で聞いた。しかしそれにしても今回会った稲盛は優しすぎる。

「規制」の難しさを転機に

稲盛 和夫氏

稲盛 和夫(いなもり・かずお)氏
昭和7年1月30日生まれ、56歳。鹿児島市出身、昭和30年鹿児島大学工学部応用化学科卒、碍子メーカーの松風工業入社。34年4月京都セラミツク(現京セラ)を設立し取締役就任。41年5月社長、60年6月会長兼務、61年10月安城欽寿前副社長に社長を譲る。59年6月第二電電企画(現第二電電)を設立し会長就任、62年12月から社長兼務。

 実は筆者とカメラマンの小嶋三樹とは、3年前にも一緒に稲盛を取材している。昭和60年3月18日号の特集「強さの研究 京セラ――稲盛式キャピタリズム、内から外へ」の表紙は、当時の稲盛の雰囲気をよく伝えている。社長室で社員と仕事の打ち合わせをする稲盛の厳しい表情が印象的だった。インタビューでの稲盛の表情もさして変わらなかったと記憶している。だから小嶋も意外に思えたのだろう。

 3年前と言えば、前年59年6月に第二電電企画(現第二電電の前身)を設立し、日本電信電話(NTT)の独占への挑戦を表明したばかりの頃だ。本体の京セラも、ヤシカ、サイバネット工業を合併し、派手に多角化を進めていた。稲盛はベンチャー経営者の旗手として、世間の注目を一身に集めていたと言っても過言ではなかった。

 その稲盛が今、淡々と語るのだ。「今までセラミックは、政府の干渉しない分野でしたので自由にやれたんですが、今度、第二電電をやってみて、初めてレギュレーション(規制)の難しさを感じましたね」。「第二電電というのはちょっとしんどい仕事でありますね。何か、ターザンごっこをして遊んでおった少年が、上流階級の幼稚園に入れられて、お利口さんにならなきゃならんという感じですから」。

 「少年のような情熱はまだ、失っていません」と稲盛は言う。だがその言葉の端から「やっぱり大人になってきましたね。第二電電を通じて大人になってきましたよ。むやみな衝突は決してよくないと思うもんですから、そこは少し気が長くなりました」と続く。

 第二電電は、今3月期に早くも黒字化が見込まれるものの、進出を打ち出した当時の状況は、そう楽観できるものではなかった。電気通信事業法改正を推進した小山森也元郵政事務次官(現日本放送協会専務理事)は「果たして、NTTに対抗する会社が本当に出てくるだろうかと思うと、不安でたまらなかった」と振り返る。

コメント1

「日経ビジネスが描いた日本経済の40年」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック