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【時代のリーダー】鬼塚喜八郎・アシックス社長

「我慢で成功を買った男」「幸せの世襲あってたまるか」脱同族が旗印、創業の気概

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2009年2月3日(火)

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先行きが見通しにくい2009年。困難な時代には新しいリーダー像が生まれるはずだ。これまでも企業経営や政治に新しい時代を切り開いたリーダーがいた。そんな時代のリーダーを日経ビジネスが描いた当時の記事で振り返る。
(注)記事中の役職、略歴は掲載当時のものです。

* * *

1985年8月19日号より

 無一文からスポーツシューズの商売を始めて36年、年商1000億円の総合スポーツ用品メーカー、アシックスを創り上げた鬼塚喜八郎社長(67)。典型的な創業経営者だが、掲げる旗は脱同族経営である。従業員の信頼を集め、参画意識を高めることが、いかに大きな力を発揮するか知り尽くしてのことだ。自分の欲望をねじふせて、大望を現実のものとした。 =文中敬称略=

(森 一夫)

鬼塚 喜八郎氏

鬼塚 喜八郎(おにつか・きはちろう)氏
大正7年5月29日、鳥取県生まれ、67歳。昭和11年旧制鳥取第一中学校を卒業し、軍隊生活を経て、24年にスポーツシューズ専業の鬼塚株式会社を設立。32年にオニツカに改称し、39年神戸、大阪2部の両証券取引所に株式を上場、52年、ジィティオ、ジェレンクと合併してアシックスと改称し社長に就任。スポーツシューズでは国内首位を行く。

 神戸ポートピア博覧会の跡地に造成された神戸ファッションタウンの中に、このほど、アシックスの新本社ビルが完成した。60億円を投じて建設した新ビルは、ワールドなどの周囲のビル群に伍して偉容を誇っている。その新本社のアトリウムと呼ぶ多目的ホールで、落成披露式典が先月末に催された。

 もちろん主役は、社長の鬼塚喜八郎である。鬼塚の思いは、約1300人の来賓、関係者を前にして自ら行った挨拶の中によく表れている。

 「思えば戦後、焼野原と化した神戸の一角に、靴の『ク』の字も知らない一人の男が、電話一本、机一台、無一文からスポーツシューズの製造を始めて、早く一人前となって立派な本社ビルを建てたいものと夢に見続けて参りました」

 それが「36年ぶりに正夢」となり、「しかも、無借金で建てられるなんて草創の労苦を思い、全く夢のようです」と鬼塚は語った。戦後40年、日本の経済成長に伴って、幾多のサクセスストーリーが生まれた。今1月期決算で1000億円企業となるアシックスも、その一つである。

 くたびれた国民服を身につけ、見本のスポーツシューズを詰め込んだリュックサックを背負って、各地の運動具店を訪ね歩いていた頃の鬼塚は、食うために必死だった当時の日本人の平均的な姿だったに違いない。今、その男のために、県知事、市長を始め、神戸の政財界のお歴々が祝意を表すために、顔をそろえている。

 サクセスストーリーの主人公を演じる創業経営者は、ギラギラと脂ぎったアクの強い男が相場だ。しかしそんなイメージを思い浮かべて鬼塚に会えば、拍子抜けする。小柄で、篤実な表情を浮かべた腰の低い人物だ。語らせれば、自信のあふれる物言いではあるが、背伸びをするでもなければ、妙に謙るでもない。これまた年相応に分別を身につけた初老の男といった印象である。

 ワンマン・リーダーにありがちな傍若無人なふるまいは、鬼塚にはまず見られないといわれる。いろいろなパーティーや社内の行事などで、カメラを向けられると、鬼塚はたちまち意識する方である。すっと背筋を伸ばしてポーズをとってしまう。気どっているわけではない。「超真面目人間」(小野田元社長室長)なのである。

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