「2年目女子ですが、いいですか?」

「いつ結婚するつもり?」と部下に聞けますか?

バックナンバー

2009年2月3日(火)

1/3ページ

印刷ページ

「鈴木ィ〜 こんなの無理だよ〜」。

 YデスクはA4用紙の束から目を離し、私の顔斜め45度の方向に視線を向けました。何かを考えているときのYデスクのクセです。前回書いたコラムの原稿を手にしています。私が末尾に書いた次回予告「次は『いつ結婚するつもり』と部下に聞けますか?を執筆します」が気になったようです。

 Yデスクはこう感想を述べました。

「女性の部下に『いつ結婚するつもり?』って聞けるか? これは聞けないよ、普通。だって、そんな話をしたら、最悪、セクハラと受け止められかねないし」

 次回予告に反応したのは、Yデスクだけではありません。40代の知人は私にこう話したことがあります。

「能力さえあれば、私生活はどうでもいい」

「俺は部下を選ぶときに、その人の私生活を意識しないのだよね。評価するのはその人の持っている能力だけでいい。例えば、女性に子供がいるかどうかは気にしない。その人の知識や能力が欲しかったら、それを活かせる立場に引き上げればいいと思うんだ」

 このおふたりは、「聞けない」「聞かない」と、方法こそ異なっていますが、部下の私生活について口は出さないと言う点で共通しています。

 私も学生時代には、仕事に関係するのは能力だけだから、私生活と仕事は分けて考えたいと思っていました。採用試験を受けていた会社の人事の方が、「仕事が終わると毎晩会社の人とご飯を食べます〜」とプレゼンしたため、受験を途中棄権したこともありました…今思えば本当に小生意気で世間知らずの学生でした。

 でも、働いて思ったのですが、仕事というのは能力だけではなく、私生活の要素にも大きく左右されます。例えば、この秋に私の祖母が骨折しました。私は休日しかお見舞いに行っていないのですが、家族は交代でリハビリを手伝っています。私以外にも家族がいたので問題にはならず、上司に伝えようともしませんでしたが、そうはいかない人もいるはずです。

 お子さんが小さければ、就業時間を変えなければならないこともあるでしょう。これは男性だろうが、女性だろうが関係ありません。家族が病気になることや、奥さんの妊娠で駆けつけなければならないこともあるはず。

 だとするならば、上司が部下の私生活をある程度把握しているのは、マネージメントする上ではとても重要なことなのではないか、そんな気がしてきました。

 じゃあ、その仮説を裏付けてみよう。

私生活を知らないと、どうしようもない職場

 分かりやすい例から探すのが手っ取り早いと思った私は、まず女性が多い職場を見に行きました。女性に限定した例を取材するのは極めて安易な方法ではありますが、現実的に「寿退社」「子育て」という、戦力減“リスク”(←言葉が一方的なのは承知しておりますが、ここはお許し下さい)が高いのは事実。そのリスクが高い職場ならば、そのリスクに対処するための取り組みも盛んだと思ったからです。

 向かったのは、東京都のとある脳外科病院です。

 え、何故だ、とお思いでしょう。たしかに例としては極端なのですが、以前看護師の研究をしていた友人からこんなことを聞いていたのです。

「看護師が足りないってよく報道されているでしょ。資格を持っている人は多いのに、医療の現場に立っている人は少ないからなんだよ。日本看護協会が2007年に行った調査によると、看護師離職率は12.4%だ。主な原因は、労働の過酷さ。夜勤もあるし、力仕事も多い。例えば患者の体位を変えるのも一苦労。妊娠しても、妊娠したことを言えずに仕事を続けたために、流産するって看護師もいるらしい」

 病院は看護師不足に悩んでいる。そして、現場は激務。問題が深刻であればあるほど、解決しようと立ち向かっている病院もあるはず、というわけなのです。

 取材は期待通りで、私が取材をした看護師の方々は、日々の会話を淡々と再現してくれました。

ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。



関連記事

Keyword(クリックするとそのキーワードで記事検索をします)

Feedback

  • コメントする
  • 皆様の評価を見る
内容は…
この記事は…
コメント41 件(コメントを読む)
トラックバック


このコラムについて

2年目女子ですが、いいですか?

 社会人と、学生の間に、あるいは女子社員と男性管理職の間に、単純な言葉の意味の取り違えから発生するギャップが、「働きたい」気持ちを邪魔している。「学生気分が抜けきらない社会人」である2年目女子には、そのズレが目について目について「それはきっとこういうことですよ」と、ひと言言いたくてたまらないらしい。社会人と学生、両者の境界線上からストレートに、精緻な分析よりも、あえていまそこにいる筆者の目線を最優先してお送りします。学生の方、社会人の方、ぜひご意見を(なお、タイトル画像の女性はコラム筆者とは関係ございません)【担当デスク:Y】

⇒ 記事一覧

記事を探す

読みましたか〜読者注目の記事

  • いま、歩き出す未来への道 復興ニッポン

日経ビジネスからのご案内