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【時代のリーダー】小山五郎・三井銀行相談役

「すこやかなドン」銀行員のワク越える並外れた行動力と感性

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2009年2月6日(金)

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先行きが見通しにくい2009年。困難な時代には新しいリーダー像が生まれるはずだ。これまでも企業経営や政治に新しい時代を切り開いたリーダーがいた。そんな時代のリーダーを日経ビジネスが描いた当時の記事で振り返る。
(注)記事中の役職、略歴は掲載当時のものです。

* * *

1986年5月26日号より

 三井銀行のドンとして君臨する小山五郎――ある意味で、これぐらい恵まれた人生を歩んだ男も珍しい。銀行員としては型破りな行動力と発想は戦後の混乱期という絶妙のタイミングを得てキラキラと輝き、高い評価を定着させた。激しい気性、鋭い感受性は絵という格好の趣味によって微妙にコントロールされ、そのカリスマ性に厚味を加えた。誰にはばかることもなく、すくすくと成長した「すこやかなドン」の姿がそこにある。(文中敬称略)

(池田 卓充)

小山 五郎氏

小山 五郎(こやま・ごろう)氏
明治42年、群馬県生まれ、77歳。昭和7年東京大学経済学部卒。同年三井銀行に入社し、34年取締役に就任。東京支店長、大阪支店長を経て38年常務、40年副社長。43年に田中久兵衛氏の後を継いで社長に就任。49年会長、57年2月から代表取締役相談役。トヨタ自動車、東芝各監査役や財団法人日本タイ協会会長など社外での活躍も幅広い。

 「そこらの週刊誌が興味本位で書くようなことばかり聞くじゃないか。そういう話で記事をまとめるならボクは賛同しかねるな」

 それまでの穏やかさがどこへ行ってしまったのかと戸惑うほどの小山の突然の変わりようだった。午前中の面談では食い足りず、その日の夕方もう一度追加の面談をした時のことである。

 無理をお願いして申し訳ないという言葉のあとに冗談のつもりで「こうして一日の内に二度お目にかかるのは初めてですよ」と言ったのが小山の神経を逆なでしたらしい。小山にしてみれば「もっと要点を絞って話を聞けば短時間で済むはず。二度会わねばならなくなったのは君の不手際なのだから自分がそんなことを言われる筋合いはない」というのだろう。

 こちらにも言い分はあったがそこで議論をしても始まらない。早々に話題を変えると、また不思議なことに小山は先刻までの立腹が嘘だったように元の穏やかな顔に戻ったのである。

 小山五郎に「怒られた」人間は決して少なくない。三井物産会長の八尋俊邦もその一人である。

 「初めは何を怒られているのかわからなかった。話を聞いてみるとこうなんだな。あるパーティーで、小山さんが私に労いの言葉をかけてくれようとして『八尋君、八尋君』と私を呼んだらしい。ところがこちらは他の人と談笑していて、その声が聞こえず返事をしなかった。それが小山さんにしてみれば『俺を無視した。失礼な奴だ』ということになったんだろうな。誤解がとけたあとはスッキリしたんだが、その時はビックリしたよ」

 三井グループとはいえ、他社の首脳に対してもこうなのだから三井銀行の内部にあっては、その洗礼を受けない方が不思議ともいえる。

 会長の草場敏郎がこんな思い出話をする。

 「当時、小山さんは総務部長、私は貸付課長だった。三井鉱山が苦しい時期で、その融資やら何やらで私は走り回っていた。すると小山さんが『君はちっとも報告をしないじゃないか。勝手にやり過ぎるぞ』と怒る。私は小山さんが若い頃の縦横無尽の活躍ぶりを知っていたから、あなただって、いちいち上司に報告なんてしなかったじゃないですかと言い返した。小山さんは憮然として『時代が違う』と言ってましたよ」

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