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【時代のリーダー】五島昇・日商会頭

「ドンになり切れないプリンス」ケンカ嫌いがケンカの連続 財界世代交代劇の主役に

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2009年2月17日(火)

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先行きが見通しにくい2009年。困難な時代には新しいリーダー像が生まれるはずだ。これまでも企業経営や政治に新しい時代を切り開いたリーダーがいた。そんな時代のリーダーを日経ビジネスが描いた当時の記事で振り返る。
(注)記事中の役職、略歴は掲載当時のものです。

* * *

1987年5月11日号より

 五島昇は大いなる遺産の相続人だ。東急王国の2代目は,日商会頭という財界のゴールデンポストも,争うことなく永野重雄氏から受け継いだ。「育ちがよすぎる」と財界長老に揶揄される五島も齢70歳。このケンカ嫌いの“甘いドン”が,最近の財界戦争ともいうべき世代交代劇の主役を演じている。(文中敬称略)

(永岡 文庸)

五島 昇氏

五島 昇(ごとう・のぼる)氏
大正5年8月21日,東京生まれ,70歳。昭和15年東大経済学部卒,同年東芝入社。終戦とともに東急電鉄に入社。29年5月に社長就任。48年東京商工会議所副会頭,59年5月永野重雄氏の死去により東商会頭に昇格。14代日本商工会議所会頭に就任。郵政審議会会長,日本小売業協会会長,太平洋経済委員会日本委員長などを務める。

 4月末からのゴールデンウィークの1週間,五島は漁師となる。伊豆下田の別荘から,早朝4時,高速トロール漁船をくり出し,夜8時まで延々18時間,太平洋にカジキマグロを追う。

 五島の唯一の関心はカツオ鳥の群。船酔いしている同乗のゲストは眼中にない。終日無言で海をながめ,漁業無線に耳を傾ける。

 その間,伊豆下田の東急インには東急グループの主要企業の社長,20人が五島の帰港を待つ。前日から泊まり,早朝の出港を直立不動で見送る社長,ゴルフで暇をつぶすグループ,出張先から駆けつける者など様々だが,毎年,必ず全員が参加する。

 夜,別荘で五島の獲物をさしみにして,わいわい飲み,騒ぐ。五島が何か訓示することもなく,仕事の話もない。とはいえ,この飲み会は単なる親ぼく会というわけでもない。

 315社8法人ある東急グループに社長会がない。この飲み会やゴルフ会が社長連中にとって総帥の意見を推し量る機会なのだ。

 「なにげない人生訓みたいなことをポツリと言う。これが重要なんだよね。聞き逃がすと大変だから隣の社長と話をしていても,昇さんの方に聞き耳を立てているよ」(斉藤一郎東急ホテルチェーン社長)。

 財界活動に大半の時間をさいている五島の方も,城下の雰囲気を感じとる時でもある。「顔を見れば,すぐわかる。時々ね,よからぬ事を考えているなあと思えば,呼んでたずなを引き締めるんだ。フッフッ(笑)」(五島)。

 和気あいあいの遊びを名目にしながらも,東急首脳陣にとっては神聖な儀式に近い。絶対的な服従,忠誠を再確認する場なのだ。「オーバーな言い方だが,東急の支配体制は天皇制だよ」(斉藤)。

 五島も忠誠に応える。「まかせっぷりはいいよ」というだけあって,少々の業績悪化でも経営責任をとらすことはしない。大型プロジェクトでも口をはさまない。先代・慶太以来の野武士連中を支配するのは人事権。「これだけは人に相談しない。子会社の役員以上はすべて僕が決める」。

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