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【時代のリーダー】葛西敬之・JR東海副社長

“大動脈”確保ひたむきに、政策揺さぶる「平成の志士」

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2009年3月10日(火)

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先行きが見通しにくい2009年。困難な時代には新しいリーダー像が生まれるはずだ。これまでも企業経営や政治に新しい時代を切り開いたリーダーがいた。そんな時代のリーダーを日経ビジネスが描いた当時の記事で振り返る。
(注)記事中の役職、略歴は掲載当時のものです。

* * *

1991年4月8日号より

国鉄改革の闘士から新生JRの指導者へ。破局に向かう組織の混乱を収め、政策の混とんに道筋をつけるべく駆ける。維新の志士を思わす50歳の活躍には、毀誉褒貶(きよほうへん)も宿命か。変革期の日本が舞台であればこその適役である。(文中敬称略)

(末村 篤)

 「東海の考え方はイラクと同じだ」。JR東日本社長住田正二は、新幹線の新駅建設のために土地を譲れというJR東海の要求を、イラクの行動になぞらえる。東海がイラクなら切り込み隊長の葛西敬之はサダム・フセインか。

品川新駅も、リニア幹線構想も
“フセインまがいの暴走”という声

葛西 敬之氏

葛西 敬之(かさい・よしゆき)氏
1940年生まれ、東京都出身、50歳。63年東大法卒、国鉄入社。米ウィスコンシン大留学、静岡・仙台鉄道管理局総務部長を経て、81年経営計画室計画主幹、83年職員局職員課長、86年同局次長、87年東海旅客鉄道取締役、88年常務、90年副社長。

 東日本(売上高2兆円、従業員8万人)と東海(同1兆円、同2万人)の兄弟げんかがかまびすしい。問題を起こすのは決まって東海だ。87年4月の分割・民営化と前後して吹き始めた平成景気の神風が鉄道斜陽産業論を吹き飛ばした。予想外の需要の伸びと収支の改善が株式公開を日程に乗せ、国鉄改革の枠組みの見直しを迫る。

 東海道新幹線の輸送力が限界に達したことから、バイパスの中央新幹線構想が浮上。東海はこれをリニア(磁気浮上式)技術で実現したいとして実験線建設を強力に運動、山梨プロジェクトの実現にこぎ着けた。本州3社の収益調整の重要な仕組みである新幹線保有機構から資産を買い取る価格交渉で、現行リース料の配分比率での買い取りに変更を主張したのも東海だ。そして、冒頭の東海道新幹線の輸送力向上のための品川新駅構想である。

 「会長以下一人として社内に異論はない」。東海社長須田寛は鉄道収入の85%を東海道新幹線に依存する東海だからこその全社一丸を強調する。東海が目標に向かって燃える集団と化しているのは事実。だが、周囲はそこに副社長総合企画本部長として陣頭指揮をとる葛西の性格と行動力をみる。

 「品川問題は民営・分割の原理原則にかかわる」と言う東日本副社長松田昌士もその一人。なぜ、一番関係ある東日本と胸襟を開いて話し合わず、運輸省に話を持ち込むのか。リニアは有望技術かもしれないが、実用化できるかどうか分からない物に多額の投資はできない。鉄道総合技術研究所の費用負担は東日本が一番重く、リニア開発に偏重されては困る。新幹線の買い取りも各社の体力を考えれば時機尚早だ。「どれ一つとっても自己完結的にできない問題を、別の力で押し込んでくるのは昔の葛西君らしくない」。

 現体制の中で経営の安定を目指す松田の立場では、国鉄改革の理念とは民間(私)企業の手に余る事業はやらないこと。葛西の問題提起はその枠をはみ出す旧国鉄時代の発想になる。第2次臨時行政調査会で国鉄問題を担当した慶応大学教授加藤寛は、整備新幹線の復活に見られる政治の影を警戒する。この視点に立てば、政治介入を招きかねない葛西流はやり過ぎとなる。

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